1995 Fiscal Year Annual Research Report
核磁気共鳴イメージング法による動脈硬化羅患大動脈の脂肪量の定量的評価
Project/Area Number |
07770726
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
清水 正司 富山医科薬科大学, 附属病院, 助手 (70262532)
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Keywords | 核磁気共鳴画像 / WHHL家兎 / 定量化 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
核磁気共鳴イメージング法による動脈硬化羅患大動脈の脂肪量の定量的評価 核磁気共鳴イメージングにより、遺伝性高脂血症モデル動物であるWatanabe hereditary hyperlipidemic(WHHL)家兎を用いた動脈硬化症群の家兎と日本白色雄性家兎を用いた正常対照群の二群の大動脈壁脂肪分布の摘出能を検討し、また大動脈壁の脂肪成分を定量評価し、実際に取り出された大動脈標本の動脈硬化の程度と比較検討した。 1)大動脈摘出用最適化プログラムを用い、家兎の大動脈壁内膜の脂質の摘出、そしてアテローム変性病巣の定量評価を行った。最適化プログラムの内容としては、スピンエコー(SE)法で、動脈硬化症群ではTR=500msec、TE=15msec、slice=5mmの条件を用い、また正常対照群ではTR=510msec、TE=15msec、slice=5mmの条件を用いて、いずれも2回加算において撮像した。大動脈内膜の脂質の定量化評価としてはT1値を用いた。動脈硬化症群のT1値の平均値は2041msecであり、正常対照群のT1値の平均値は1020msecであり、両群間には有意差が認められた。しかし、今回の研究で用いたWHHL家兎は遺伝性高脂血症モデル動物としては最適であったが、その動脈は約5-10mmと非常に小さく、壁の摘出と関心領域設定には困難な場合があり、また動脈拍動によるモーションアーチファクトにより、T2強調像による評価はできなかった。 2)摘出した大動脈の病理標本での検討では、正常対照群に比べ、動脈硬化症群の家兎の大動脈では著明な内膜の脂質と沈着と線維性肥厚が認められた。 今回の結果から、核磁気共鳴イメージングによって動脈壁のアテローム変性病巣を描出し、また定量評価することにより、動脈硬化症の早期診断や治療効果を非侵襲的に行える可能性があると考えられた。
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