1995 Fiscal Year Annual Research Report
造影剤を用いた門脈系のMR(磁気共鳴)Angiography
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07770753
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
天沼 誠 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (10212565)
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Keywords | 磁気共鳴画像 / 磁気共鳴血管撮影 / 門脈 / 造影剤 |
Research Abstract |
1.造影剤を併用した門脈の3次元MR angiographyを得る上で、以下の点を確認し、実際の臨床応用を行った。(1)造影剤注入開始後50秒後にデータ収集を開始することにより門脈系の選択的画像化を可能となる。(2)エコー時間を水と脂肪の位相反転時間に合わせて脂肪の信号を抑制することで得られる画像のコントラストが改善される。(3)位相エンコードのredordeingを併用することで呼吸による画像劣化を防ぎ、血管系の信号上昇を強調することが可能である。 2.上記の条件により、1回の呼吸停止で良好な門脈の3次元画像が得られた。短時間に簡単で、かつ非侵襲的に施工できるばかりでなく、従来この領域において最も一般的に行われていた2次元Time of flight法と比較してはるかに臨床的に信頼のおける血管像が得られた。また、過半数の例で血管造影所見と比較してより多くの情報が得られた。正常の門脈系のみならず,門脈圧亢進症にともなう側副血行路の描出が可能で今後,この領域の疾患に対する応用が期待される。 3.同様の方法で撮像条件を一部変更することにより門脈系のみならず他の血管病変へも応用が可能であった。特に下肢の動脈疾患への応用は有用性が大きく、17例において施行した初期臨床経験から動脈効果にともなう閉塞性変化の描出に大きな役割を果たすことが予想された。 4.上記の結果は学会雑誌に発表した。
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