1995 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス状態におけるCRFによるIL-1レセプターの変化についての検討
Project/Area Number |
07770830
|
Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
高尾 俊弘 高知医科大学, 医学部, 助手 (00243824)
|
Keywords | インターロイキン-1 / レセプター / コルチコトロピンリリ-ジングファクター / ストレス / 下垂体 / ACTH |
Research Abstract |
我々は以前より、マウス神経、内分泌、免疫組織に高度のヒト^<125>I-interleukin-1α(^<125>I-IL-1α)結合が認められ、エーテル麻酔開腹ストレスによって下垂体での^<125>I-ovine corticotropin releasing factor (^<125>I-oCRF)結合が減少し、^<125>I-IL-1α結合が増加することを報告した。今回は下垂体での^<125>I-IL-1α結合の増加が内因性CRFを介したものかどうかを検討するために、CRF拮抗物質前投与によってエーテル麻酔開腹ストレスによるIL-1レセプターの増加に影響を及ぼすかどうかの検討を行った。《方法》C57/BL6雄マウスを以下の4群に分ける。1)エーテル麻酔開腹ストレス前15分に生食を腹腔内に投与。2)エーテル麻酔開腹ストレス前15分にCRF拮抗物質[D-pher/h CRF(12-41)]を腹腔内に投与。3)エーテル麻酔開腹ストレスなしで生食を腹腔内投与。4)エーテル麻酔開腹ストレスなしでCRF拮抗物質を腹腔内投与。マウスはストレス開始後2時間無拘束においた後、断頭屠殺し、組織を摘出、液体窒素中で凍結し、-30℃で保存する。また血中ACTHを測定するために体幹血を採取する。^<125>I-IL-1α結合は既報のバインディングアッセイ法で測定し、ACTHは市販のキットを用いて測定した。《結果》CRF拮抗物質400、800μg腹腔内投与2時間で、血中ACTHは生食腹腔内投与群との間に有意の差を認めなかった。CRF拮抗物質800μg腹腔内投与はストレス後2時間で、エーテル麻酔開腹ストレスによる下垂体前葉における^<125>I-IL-1α結合の上昇を有意に抑制したが、CRF拮抗物質400μgにおいては^<125>I-IL-1α結合は生食腹腔内投与群との間に有意の差を認めなかった。CRF拮抗物質はストレスのない状態では^<125>I-IL-1α結合に影響を及ぼさなかった。《結論》内因性CRFは下垂体においてストレス時のIL-1レセプターの調節に関与することが示唆された。
|