1995 Fiscal Year Annual Research Report
自然発症肥満高血圧モデルラットの高血圧、インスリン抵抗性の機序の解明
Project/Area Number |
07770833
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
山川 正 横浜市立大学, 医学部, 助手 (30264641)
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Keywords | 高血圧 / 肥満 / TNF / レニン・アンジオテンシン系 / インスリン抵抗性 |
Research Abstract |
本年度は自然発症肥満高血圧モデルラット(WFR)の血圧上昇の機序、及びインスリン抵抗性と高血圧、TNFαの関連についてより詳細に解明することを目的とし、次の2点についてコントールであるWistar Lean Rat(WLR)と比較し解析した。1)WFR,及びWLRのRenin-angiotensin系について生化学的ならびに分子生物学的手法を用いて検討した。血漿renin活性(PRA),Angiotensin II(p-ANG II)濃度の測定、種々の臓器のAngiotensinogen(ATNG)のmRNAの発現(Northern blottingを行うため種々の試薬,アイソ-プ,チップ類を使用)について検討した。8,16,24週齢のWFR,WLRを対照に実験を行った.PRA,p-ANG IIは共に体重増加に伴って増加した.肝,腎のATNG mRNAの発現に有意差は認められなかった.しかし,副腎ではATNG mRNAの発現はWFRで低下を認めた.逆に心臓,大動脈における発現は16,24週齢においてWFRがWLRに比し有意に亢進していた.以上の結果よりWFRは他の高血圧モデルと同様に組織のRenin-angiotensin系が高血圧やその合併症の進行に関与している可能性が示唆された.次にLPS刺激によるTNF産生能について検討した.16週齢以降においてWFRのin vivo TNF産生能は有意に亢進していた.更に細胞レベルのでTNF産生亢進の有無を明かとするため脾マクロファージ及び脂肪細胞でのTNFαmRNA発現について検討した.WFRのTNFαmRNA発現は脾,脂肪共にWLRに比し有意に亢進していた.以上のようにWFRは肥満及び高血圧に伴ってRenin-angiotensin系及びTNFα産生能が変化し,WFRのインスリン抵抗性、ならびに高血圧の成因に関与している可能性が示唆された.
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