1995 Fiscal Year Annual Research Report
赤血球造血因子エリスロポエチンの遺伝子発現制御機構の解明
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07770862
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
土屋 輝昌 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (20242109)
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Keywords | エリスロポエチン / 遺伝子発現制御 |
Research Abstract |
酸素は、人体にとって必要不可欠な分子の一つであり、体内の酸素濃度の恒常性を維持することは、生体機能を正常に保つ上で必須な条件である。貧血等に起因する低酸素状態は、腎臓と肝臓において感知され、赤血球造血因子エリスロポエチンが生合成される。そして、血流を介して骨髄に到達したエリスロポエチンは、赤血球前駆細胞の分化増殖を促す。成熟した赤血球は、肺で酸素を受け取り末梢組織に酸素を運搬することにより、酸素濃度の恒常性を維持している。すなわち、エリスロポエチン遺伝子の発現制御機構を解明することにより、生体内における酸素濃度の感知機構(酸素センサー)や、低酸素ストレスに対する応答機構が、解明できるものと考えられる。 我々は、低酸素状態において活性化されるエリスロポエチン遺伝子のプロモーター領域を確定した。そして、この領域に特異的に結合する蛋白が、腎臓と肝臓の核抽出物中に複数存在していることを見い出した。さらに、エンハンサー領域にも複数の核蛋白が特異的に結合することを見い出し、それらの中から低酸素状態において活性化される組織特異的転写因子(HNF-4)を同定した。
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