1995 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトTリンパ球・Tリンパ性腫瘍におけるホメオボックス遺伝子群の発現・機能解析
Project/Area Number |
07770880
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
稲森 健 順天堂大学, 医学部, 助手 (50261970)
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Keywords | Tリンパ球 / リンパ球活性化 / ホメオボックス |
Research Abstract |
1.ヒト末梢血T細胞におけるホメオボックス遺伝子発現の検討 HOX-B7およびHOX-C4特異的なプライマーを作成し、RT-PCR法により正常人末梢血リンパ球中の発現を検討した。 未刺激リンパ球においてRT-PCR法にてHOX-B7およびHOX-C4メッセージを検出した。リンパ球を抗体を用いて、亜分画に分けて、同様の検討を行ったところ、CD4陽性ヘルパーTリンパ球分画およびCD8陽性キラーTリンパ球分画の双方に同メッセージが陽性であり、これらのメッセージの発現はヘルパーまたはキラーT細胞の細胞系列決定には重要でないと考えた。遺伝子発現がTリンパ球の活性化と関連している可能性を検討するため、末梢血Tリンパ球を活性化抗原であるHLA-DR抗原あるいはメモリーT細胞に発現するCD45RO原の有無で分割して検討した結果、活性化Tリンパ球分画およびメモリーT細胞分画により強いメッセージの発現を認めた。これらの結果から、Tリンパ球活性化にともなってホメオボックス遺伝子メッセージの発現が起こることが示唆された。これを確認するために、Tリンパ球を薬物を用いて刺激し、刺激後の各時点にてメッセージの発現を検討したところ、HOX-B7、HOX-C4メッセージとも刺激後早期に一旦低下し、刺激後3〜6時間にかけて再び増強し、刺激後24時間には刺激前の数倍と見積もられる量のメッセージが認められた。 アンチセンス法を用いてHOX-B7あるいはHOX-C4遺伝子の発現を抑制した系でのTリンパ球活性化が抑制されるかどうかの検討が必要である。 2.HOX-B7産物の機能解析 HOX-B7遺伝子の順方向および逆方向に組み込んだベクターを作成し、HOX-B7遺伝子発現陽性および除性のTリンパ球性白血病細胞株に遺伝子導入を試みた。HOX-B7発現陰性細胞株は元来、遺伝子導入困難とされている株であり今までのところ遺伝子導入に残念ながら成功していない。
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