1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07770925
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
時枝 啓介 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20227565)
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Keywords | 臍帯血輸血 / 自己血輸血 / CPDA-1 / CPD / MAP |
Research Abstract |
われわれは未熟児貧血の治療に臍帯血を用いての自己血輸血を行うことを目的として、血液保存液の比較検討を行い、CPDA-1が既存の血液保存液のなかで臍帯血の保存に関し実用性、安全性の面でもっとも優れているとの結果を得た。 正常新生児の臍帯静脈より採取した臍帯血を、CPDA-1(n=5)、CPD(n=4)、MAP(n=4)の入った輸血バッグ中で3週間保存した。溶血に関して1週毎にLDH、血清遊離ヘモグロビンを、赤血球の酸素運搬能に関して1週毎に2,3DPGを測定した。 (1)LDH(mg/dl)は、CPDA-1で採取時312±34(M±SE)、1週後411±67、2週後718±112、3週後907±105、CPDで採取時295±38、1週後592±85、2週後909±128、3週後1388±296、MAPで採取時253±25、1週後469±322、2週後608±300、3週後911±145であった。遊離ヘモグロビン(mg/dl)は、CPDA-1で採取時37±10、1週後39±8、2週後43±11、3週後46±8、CPDで採取時、1週後、2週後、3週後、MAPで採取時23±18、1週後53±24、2週後47±15、3週後であった。(2)2,3 DPG(μmol/ml)は、CPDA-1で採取時2.6±0.5、1週後0.75±0.24、2週後0.21±0.08、CPDで採取時2.4±0.3、1週後0.83±0.54、2週後0.18±0.06、MAPで採取時2.6±0.3、1週後0.05±0.06、2週後0.05±0.02であった。 以上の結果から、CPDA-1は溶血性に関しCPDより優れMAPと同程度、保存赤血球の酸素運搬能に関しMAPより優れCPDと同程度であることが示された。CPDA-1は、血球分離を要しないことを考慮すると、実用性、安全性の面で三者の中で最も優れていると考えられた。
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