1995 Fiscal Year Annual Research Report
培養ヒト食道上皮細胞線維芽細胞及び平滑筋細胞を用いた組織再構築型人工食道の開発
Project/Area Number |
07771014
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三木 浩榮 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90245522)
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Keywords | 人工食道 / 細胞培養 / ヒト食道上皮細胞 / ヒト食道線維芽細胞 / コラーゲンゲル / 移植 / 筋弁 / ハイブリッド型人工臓器 |
Research Abstract |
組織再構築型人工食道開発のため、正常ヒト食道上皮細胞、正常ヒト線維芽細胞を用いて以下の実験を行った。 1.ヒト食道由来の線維芽細胞と上皮細胞の培養 食道癌新鮮切除標本より、ディスパーゼを用いて食道上皮と粘膜固有層に分離した。次にトリプシンを用いて、上皮からは食道上皮細胞を、粘膜固有層からは線維芽細胞をそれぞれ分離して、継代培養する事に成功した。 2.in vitroにおける、線維芽細胞の食道上皮細胞重層化促進に関する検討 1で培養した食道上皮細胞を、線維芽細胞を各種濃度で包埋培養したコラーゲンシート上で培養した。線維芽細胞非包埋シート上での上皮細胞は、培養21日目で2〜3層の重層化に留まったのに対して、線維芽細胞8×10^5個/コラーゲン2ml包埋シート上では、培養21日目に4〜5層に重層化した。さらに16×10^5個/コラーゲン2ml包埋シート上では、培養21日目で17〜18層に重層化し、細胞の形態は基底層から上方に向かい扁平化を呈し分化傾向を認めた。つまり、包埋する線維芽細胞数が多いほど上皮細胞の重層化は促進されることが明らかになった。 3.in vivoにおける組織再構築型人工食道の作製 ヒト食道由来の上皮細胞、線維芽細胞、PGAメッシュ、コラーゲンからなる管腔を、ヌードラット広背筋弁で被覆するように移植した。移植後14日目に摘出したチューブは、長径2cm、内径6mmの管腔で、内腔の狭窄はみられなかった。組織像においては、管腔の外側から広背筋、PGAメッシュ+線維芽細胞包埋コラーゲン層、食道上皮が層構造をとった。また、上皮細胞は全周14層以上に重層化して、正常の食道上皮の組織像に類似していた。コラーゲン層には新生血管を認め、炎症性細胞浸潤も軽度であった。
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Research Products
(1 results)