1995 Fiscal Year Annual Research Report
赤外線凝固器(IRK151)を用いた新しい心房アブレーション法の研究
Project/Area Number |
07771033
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
窪田 博 東京大学, 医学部(病), 助手 (00262006)
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Keywords | 赤外線凝固器 / 心房細動 / MAZE手術 |
Research Abstract |
[方法]1:雑種成犬(n=3)を用い、全身麻酔下、右開胸で直視心拍動下に右心房を三尖弁輪部から心房間溝まで連続して心内外膜両面から赤外線を照射した。先端プローブは、組織圧着面が線状(10×1.5mm)になるように改良作製したサファイヤプローブを用いた。出力は35W、照射時間は各ポイント9秒ずつで、心内膜面の照射は右心耳にタバコ縫合をかけプローブを挿入して行った。照射後、24点カード電極を用い、自脈、ペーシング下でのマッピングを行った。2:雑種成犬(n=3)を用い、全身麻酔下、右開胸で直視心拍動下に右室心外膜面より35W、3×n秒(n=1〜7)照射し、30分後に屠殺し照射時間と組織凝固深達度との関係を病理学的に検討した。[結果]1:赤外線凝固により、心房の電気的連続性は切断された。2:組織は境界明瞭な壊死像を認め、凝固範囲はプローブ先端のサイズに限局されていた。凝固組織は強靱で炭化、蒸散を認めなかった。組織深達度は照射時間にほぼ比例し、最大11mmの深達度を得ることができた。[結語]赤外線凝固器(IRK151)は優れた特性を持っており、新しい心房アブレーション法となる可能性が示唆された。以上が第一期に得られた結果であり、1995年4月、第95回日本外科学会総会で発表した。第二期実験として、サファイヤプローブの形状変更、コーティングによる凝固深達度の変化を調べ、サーモグラフィーを用いてその特徴を記録した。その結果、現時点で最も効率良い線状アブレーションを得られるのは、長さ10mmのコーティングされていないtaper型プローブであった。またIRK151の凝固時間がタイマーにより3秒に制限されており、心房凝固には短かすぎる点および長時間照射時における本体の耐久性が劣る点が問題であったが、タイマーは30秒照射まで連続可能に改良し、本体も耐熱性に優れた改良型が完成した為、現在追加実験施行中である。
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