1995 Fiscal Year Annual Research Report
生体肺微小循環観察法によるラット肺移植後肺血管障害における白血球の関与
Project/Area Number |
07771050
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
遠藤 俊輔 自治医科大学, 医学部, 助手 (10245037)
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Keywords | ラット肺移植 / 移植後肺水腫 / 接着白血球 |
Research Abstract |
ラット左片肺移植モデルを作成し、移植肺再灌流時の微小循環形態を蛍光顕微鏡を通して観察し、移植後急性肺水腫の病態生理について研究してきました。その結果、再灌流時移植肺は顕著な微小循環障害がみられ、その原因として肺細動脈末梢領域から毛細管にかけて細灌流時、白血球のトラップ現象が生じているためと考えられました。 そこで本年度は右片肺動脈を遮断したり、PGE1浸積保存したドナー肺を移植したりすることにより左側の移植肺血流を増加させ、その再灌流形態を観察しました。その結果、血流増加により細動脈末梢での白血球のトラップ現象が減少したことから、この現象は機械的な通過障害が主因となっていることが示唆されました。しかし再灌流後次第に細動脈毛細管経路を通過した白血球は毛細管から細静脈にかけて付着し次第にその毛細管経路の血流は低下しました。毛細管から細静脈では血管外への血漿蛋白の浸出は顕著にみられました。移植肺の湿乾重量比も有意に上昇していました。従って、高流量移植肺では細動脈末梢に循環障害は改善するが、毛細管から細静脈領域での白血球の付着性及び循環障害は改善せず、毛細管から細静脈領域かけて血管透過性が亢進していることがわかりました。 以上の結果から移植肺再灌流障害の病態は以下のように考えられました。 1)肺は低圧循環系であるために、移植再灌流直後、まず多数の領域の細動脈末梢領域での機械的な通過障害による白血球のトラップ現象が生じる。 2)この通過障害を改善しても、白血球と毛細管との付着性は改善しないことから、この付着性は接着因子が関与しているものと考えられる血管透過性が亢進したのは、血管自体の損傷によるものか接着白血球からの化学的物質が関与しているのかは今後の研究課題である。 学会発表-日本微小循環学会総会、日本移植学会総会
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Research Products
(1 results)