1995 Fiscal Year Annual Research Report
悪性脳腫瘍細胞の増殖、浸潤における線溶系遺伝子の発現
Project/Area Number |
07771086
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
赤井 卓也 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (50222500)
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Keywords | glioblastoma / t-PA / u-PA / PAI1 / PAI2 / mRNA / TNF-α |
Research Abstract |
1、5種類のヒト神経膠芽腫細胞(T98G,A172,U87,TM1,Fukuda)よりmRNAを抽出し、ノーザンブロットにより組織プラスミノーゲン・アクチベータ(t-PA)、ウロキナーゼ(u-PA)、プラスミノーゲン・アクチベータ・インヒビター(PAI1,PAI2)のmRNA発現を調べた。T98Gではu-PA,PAI1 mRNAの発現を認め、A172ではt-PA,PAI1,2 mRNAの発現を認めた。U87,TM1ではu-PA、Fukudaではt-PA mRNAの発現を認めた。 2、TNF-αのT98G,A172,TM1細胞増殖における作用を10%FCS加MEM培地を用いて調べた。500U/mlまでの濃度においては、コントロールと比較して明らかな細胞増殖抑制効果は認めなかった。 3、TNF-αのT98G,A172,TM1細胞におけるプラスミノーゲン活性およびそれらのインヒビター活性に対する作用をフィブリン板を用いて調べた。コントロールでは、A172でプラスミノーゲン活性がそれらのインヒビター活性に比し強かったが、T98G,TM1では、インヒビター活性がプラスミノーゲン活性に比し強かった。TNF-αを作用させると、A172ではプラスミノーゲン活性が低下、T98Gではプラスミノーゲン活性が増加、TM1ではプラスミノーゲン活性が低下した。 4、TNF-αのT98G細胞におけるt-PA,u-PA,PAI1,2 mRNAの発現に対する作用をノーザンブロットにより調べたu-PA,PAI1 mRNAの発現はTNF-α量に比例して増大した。t-PA,PAI2,mRNAの発現は認めなかった。TNF-αのu-PA,PAI1 mRNAの発現増加効果はTNF-αを作用させて6時間後に最大であった。 現在、これらに継続してTNF-αの細胞浸潤能に対する作用およびt-PA,u-PA,PAI1,2のレセプター発現について検討中である。
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