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1995 Fiscal Year Annual Research Report

脳虚血時の一酸化窒素の功罪

Research Project

Project/Area Number 07771092
Research InstitutionShiga University of Medical Science

Principal Investigator

椎野 顯彦  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (50215935)

Keywordsnitric oxide / cerebral ischemia / n‐NOS / zaprinast / FK‐506 / NOS inhibitor / cerebral blood flow
Research Abstract

血管内皮によるNOを介した調節の他に、NO含有神経終末による脳循環調節機構の存在を示唆する報告がある。そこで、“脳虚血時にnc‐NOSはサイクリックGMPを介して血管を拡張させ、側副循環を改善する"という仮説をたて、実験を行った。ラット中大脳動脈閉塞直後に、nc‐NOSを選択的に抑制するFK506を投与すると、非投与群に比べ12.2%の梗塞巣拡大が認められた。この効果はzaprinastの投与により消失した。虚血時のNO放出がc‐GMPを介して血管を拡張させ、梗塞巣を縮小することの間接証拠である。尚、梗塞面積は、中大脳動脈閉塞から24時間後にTTCで染色、梗塞巣の面積をNEXUS‐10122にて計測した。
同じ中大脳動脈閉塞モデルにおいてFK506のvivoでのnc‐NOSに対する作用を調べる目的で、ラット脳のNOを経時的に測定した。NOの測定には電極法の予定であったが、得られたデータに疑問があるため、microdialysis用いたサンプリングによるNO_2とNO_3の測定を併せて行い、脳のNO産生量を推測した。結果、虚血早期と再開通直後に脳のNOレベルが上昇することを確かめた。測定したNOは、主としてN‐cNOS由来と思われるが、FK506は予測に反して、このNOの産生を抑制しなかった。この結果は、培養細胞による従来の結果と反するもので、現在原因を検討中である。
ラットの頭蓋骨の骨窓から、CCDカメラで脳表の血管を観察した。画像はビパーソナルコンピューターに転送し、経時的な血管径の計測を行なった。結果、zaprinastは虚血巣周囲の細動脈をさらに拡張させ、血小板の内皮細胞への付着を抑制した。一方、FK506は虚血巣周囲の細動脈の拡張を抑制した。FK506のこの効果が、NO含有神経終末を介した作用である直接の証拠はいまのところないが、今後検討していゆく予定である。

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Published: 1997-02-26   Modified: 2016-04-21  

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