1995 Fiscal Year Annual Research Report
老化促進マウスにおける微小骨折および骨の力学的強度に関する研究
Project/Area Number |
07771161
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
吉川 朝昭 琉球大学, 医学部, 助手 (10264491)
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Keywords | 老化促進マウス / 骨塩量 / 骨の力学的強度 |
Research Abstract |
老化促進マウス(SAMP6)雌32匹を用いて12、24、36、48、60、72週齢で左大腿骨を摘出し骨塩量測定および力学試験を行い、骨塩量および骨の力学的強度に関して検討を行った。 骨塩定量はアロカ社DXA(DCS-600)を用い左大腿骨全長を測定した。大腿骨の骨塩量は36週まで週齢が増えるに従い増加し、48週齢で低下していたが、それ以降は有意な変化を認めなかった。 力学試験は島津社製力学試験機(AG25TD)を用い3点曲げ試験を実施した。解析は荷重・変位曲線を用い、剛性(kgf/mm)、破断強度(kgf)、toughness(kgf・mm)を求めた。剛性も骨塩量と同様に36週までは週齢が増えるに従い増加し、48週齢で低下していたが、それ以降は有意な変化を認めなかった。破断強度も36週齢までの増加および48週齢以降の減少を示し、さらに60週齢と72週齢の間でも有意に減少した。toughnessはばらつきの大きかった48週齢を除き、60週齢までは比較的維持される傾向にあったが、72週齢で急激な低下を示した。 剛性は骨密度に比例し、弾性体としての強度の指標となる。破断強度、toughnessは骨塩量のみでなく骨基質、骨の微細構造を反映し、破断までの強度の指標となる。しかし、48週、72週での骨塩量、剛性、破断強度、toughnessの各パラメータの間に解離が見られた。これらのことから、加齢による骨の脆弱性は骨塩量や剛性だけでなく、骨の質的な変化も考慮すべきで、今後、骨形態計測の手法を用いた骨の質的検討も行っていく必要がある。
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