1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07771168
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
青木 雅昭 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (00264888)
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Keywords | 軟骨肉腫 / 脱分化現象 / 分子生物学 |
Research Abstract |
52歳、男性の肋骨に発生した脱分化型軟骨肉腫の軟骨肉腫部分をSCIDマウス皮下に移植した継代2代目の腫瘍より、酵素分散法によりMK-DDCSを樹立した。尚、SCIDマウス継代腫瘍8代目においては組織学的に軟骨肉腫部分を認めなくなり、腫瘍の組織像はMFH様となっていたため、これより脱分化腫瘍細胞株としてMK-DDCS-DDを樹立した。MK-DDCSは比較的大型のpolygonalな細胞形態で、細胞内顆粒が豊富であった。免疫染色ではS-100蛋白およびビメンチンが陽性、ケラチン陰性であった。増殖速度は非常におそく倍加時間は4.2日であるが、容易に重層し結節を形成して増殖した。この結節を縦割してHE染色で観察すると、好塩基性の豊富な間質をもつ軟骨様組織で部分的に石灰沈着を認めた。コラーゲンにたいする免疫組織染色を行うとI、II、III型コラーゲンが陽性であった。さらにこの結節をSCIDマウス皮下へ移植すると軟骨肉腫を形成した。染色体検査では染色体数59本および102本をモードとする複雑な異常核型が認められた。MK-DDCS-DDはspindleな形態を呈し、免疫染色ではS-100蛋白陰性であり、II型コラーゲンの産生能は失われていた。染色体はMK-DDCSと基本的には同一と考えられる所見であったが変異も認められた。SCIDマウスへの戻し移植で形成された腫瘍の組織像はMFH様であった。この2株細胞よりRNAを抽出し、DNaseI処理後、フナコシ社製のDifferential Display用キットを使用してRT-PCRを行った。現在、得られたPCR産物をDNAシークエンス用ゲルで電気泳動し、MK-DDCSとMK-DDCS-DD間で差異のみられるバンドを検索している。
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Research Products
(1 results)