1995 Fiscal Year Annual Research Report
体性交感神経A-及びC-反射電位に及ぼす笑気の影響に関する研究
Project/Area Number |
07771230
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
足立 健彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (90252428)
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Keywords | 体性交感神経反射電位 / 笑気 / ナロキソン / 急性耐性 |
Research Abstract |
体性交感神経反射電位には、麻酔動物において、体性求心性有髄神経の興奮によって誘発されるA-反射電位と体性求心性無髄神経によって誘発されるC-反射電位とが明確に区分されて出現する特徴がある。従って、A-反射電位とC-反射電位とに及ぼす薬物の効果を比較検討することにより、動物に痛みを与えることなく、薬物の鎮痛効果の検討を行うことが可能である。 この研究は笑気が体性交感神経A-及びC-反射電位に及ぼす効果を明らかにすることを目的として行った。笑気の鎮痛効果に関してはopioidとの類似性及び急性耐性の存在が指摘されてきたので、笑気の体性交感神経C-反射電位に及ぼす作用が内因性opioidと関連するか及び急性耐性が存在するかどうかを明らかにすることをも目的として行った。 ウレタンクロラロース麻酔、人工呼吸下のラットで脛骨神経を電気刺激して下心臓神経において体性交感神経A-及びC-反射電位を記録した。吸入気を30%酸素及び70%窒素から30酸素及び70%笑気に20分間変更することによって、A-及びC-反射電位は笑気吸入前と比較して各々28%及び42%抑制され、この抑制の程度はC-反射電位の方が有意に大きかった。吸入気組成を30%酸素及び70%笑気に戻すとA-及びC-反射電位はほぼ笑気吸入前のレベルに回復した。次にナロキソン0.2及び2mg/kgを笑気吸入の10分前に静脈内投与した後に笑気を吸入させたが、A-及びC-反射電位の抑制の程度にはナロキソン非処置群との間に有意な差は見られなかった。70%笑気を2時間吸入させてもA-及びC-反射電位は20分吸入の時と同程度に抑制されたままであった。以上より70%笑気の吸入は体性交感神経A-及びC-反射電位を抑制し、その抑制の程度はC-反射電位の方が大きいこと、及びこの反応には内因性opioidは関与せず、急性耐性も存在しないことが示唆された。
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Research Products
(1 results)