1995 Fiscal Year Annual Research Report
人為的高体温の腸管代謝機能におよぼす影響(アミノ酸粘膜内組織pHからの検討)
Project/Area Number |
07771252
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
吉武 重徳 大分医科大学, 医学部, 助手 (10200974)
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Keywords | 高体温 / 腸管血流 / 粘膜内pH / 動物実験 |
Research Abstract |
ショック状態において腸管は重要な機能を果たしている。今回、人為的高体温下において腸管血流と、組織代謝を反映するとされる粘膜内pHを測定して腸管に対する影響を検討した。 【対象・方法】 15頭のブタを使用し、心拍数、血圧、中心静脈圧、肺動脈圧、心拍出量、胃および小腸血流、消化管粘膜pH(pHim)を測定した。コントロール値を得た後、各測定は40℃、42.5℃、42.5℃3時間後および39℃復温後1時間の5点で行った。 【結果】 コントロール値と比較して体温を42.5度を維持している間、心拍出量や、腸管の血流は有意に増加または変化しなかった。また全身の酸塩基平衡をを示す動脈血pHは、高体温中に低下していくが有意な変化は示さなかった。これに対してpHimは、7.30から徐々に低下していき42.5度の3時間維持で7.03と最低となり、クーリング後の7.11とやや上昇した。 【考察】 コントロールのpHim値は、何等侵襲を受けていないときの数値として、従来の報告と比べ同等である。その後、体温の上昇と共に、血流が腸管を含め増加または、変化なく、全身のpHも有意な変動を認めなかった。しかし、pHimは、高体温の早期より有意に低下を示した。このことから、高体温刺激の、初期から心拍出量や各種臓器血流の増加を認め、いわゆるhyperdynamic stateの状態であるが、この早期より腸管の組織虚血が始まっておりpHimのレベルから判断すると重篤な組織障害または、組織虚血が起こっていると考えられた。
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Research Products
(1 results)