1995 Fiscal Year Annual Research Report
複数個別刺激入力に対する頚動脈洞圧反射機能の応答-血圧ゲインカーブの解析-
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07771259
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
重見 研司 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00206088)
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Keywords | 頚動脈洞圧受容体反射 / ゲインカーブ / 中枢神経系 / 血圧調節 / ロジスティック関数 / 制御 |
Research Abstract |
本研究は現在進行中でまだ発表できる段階に至っていないので、パイロット実験の結果を報告する。普通、左右の頚動脈洞圧受容体からはほぼ同じ信号が中枢神経系に入力されると考えられるが、本研究では人為的に相矛盾する信号を入力し、動脈血圧を出力として中枢神経系の反応を検討した。その結果得られた動脈血圧の頚動脈洞内圧に対する利得曲線において、最高利得は、片側を低圧(50mmHg)に一定に保った場合には1.0であり、高圧(200mmHg)に一定に保った場合は0.2であった。一方、両側同値に変化させた場合は1.25であったのでこれに比べると、最高利得はそれぞれ80%と20%に減少した。また、それぞれ最高利得を示す動作点である頚動脈洞内圧は、片側を低圧に保った場合110mmHg、高圧に保った場合140mmHgであり、同時に変化させた場合はそれらの中間値である125mmHgを示した。 以上の結果から、中枢神経系の特性を検討する予定であるが、動脈血圧-頚動脈洞内圧利得曲線について根本的な問題を解決する必要が生じた。この利得曲線は、4変数のロジスティック関数にて近似して解析している。この4変数の組み合わせとしては、1)最高動脈血圧・最低動脈血圧・最高利得・動作点、2)頚動脈洞内圧閾値点・頚動脈洞内圧飽和点・最高利得・動作点、3)最高動脈血圧・最低動脈血圧・頚動脈洞内圧閾値点・頚動脈洞内圧飽和点の3種類が考えられる。数学的には全て同値であるが、生理学的にはそれぞれ意味付が全く違う。すなわち、最高利得が増加したとき、それは中枢神経系にて感受性が増加するなどして利得が増加したのか、それとも中枢が全身の血管の最大収縮と最大弛緩の範囲を広げたために、利得が増加して観測されたのか区別ができない。現在、実験を重ねながら、この点もあわせて検討中である。
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Research Products
(1 results)