1995 Fiscal Year Annual Research Report
腎細胞癌における同種細胞間接着装置異常の分析-カドヘリン分子構造の異常と機能・転移との関係について-
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07771292
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
片桐 明善 新潟大学, 医学部・附属病院 (50251814)
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Keywords | 腎細胞癌 / E-カドヘリン / N-カドヘリン / α-カテニン / 同種細胞間接着分子 / インターフェロン / 予後 |
Research Abstract |
(1)手術標本における免疫染色の結果と予後との検討:E-カドヘリン発現群は予後良好であり、一方予後不良であるE-カドヘリンの発現減弱例では現在術後治療の主体となっているインターフェロン(IFN-αまたは-γ)によっても予後の改善につながらないことが示され、治療法の改変が望まれると考えられた。(2)腎癌細胞株でのカドヘリン・カテニンのmRNAおよび蛋白の発現:7種の腎癌細胞株からtotalRNAおよび蛋白の抽出を行い、ついでE,N-カドヘリンおよびα-カテニンに対するmRNAの有無をRT-PCR法およびnestedPCR法により、蛋白発現をウエスタンブロット法によりそれぞれ検討した。その結果、mRNAについては全株において各カドヘリン・カテニンの欠損は認められず、正常腎と同サイズのPCR産物が認められた。E-カドヘリン分子の場合は胃癌株にて遺伝子異常が報告されているため細胞内外ドメイン,膜貫通部位,Caイオン結合部位に分けて検討したが、腎癌細胞株では異常は認められなかった。蛋白発現については、島状発育を示し強固な細胞接着が予想される細胞株KRC/Y以外は正常腎に比してE-カドヘリンの発現は減弱していた。細胞株A704も発育形態が島状であるがE-カドヘリンの発現は減弱していた。N-カドヘリンは1株(ACHN)以外では減弱していた。α-カテニンの発現は全株で認められた。以上より腎癌における同種細胞間接着分子E,N-カドヘリンおよびα-カテニンの発現は転写段階以降にて調節されていると考えられた。N-カドヘリンの発現は腎癌における同種細胞間接着には重要ではないと考えられ、また一部の腎癌ではE,N以外のカドヘリンの関与も考えられた。
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[Publications] 冨田,善彦: "ヒト腎癌の転移におけるインテグリンα4β1(VLA-4)/VCAM-1およびE-カドヘリンの意義" Biotherapy. 9. 1340-1346 (1995)
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[Publications] 片桐明善: "腎細胞癌におけるE-カドヘリンの発現と転移・予後の関係" 癌と化学療法社(講演集-第8回関越UFT研究会-). 25-28 (1995)