1995 Fiscal Year Annual Research Report
Human Papillomavirusタイプとin vitro p53分解能との関連
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07771357
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中川 俊介 東京大学, 医学部(病), 助手 (70270874)
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Keywords | HPV / 子宮頚癌 / E6蛋白 |
Research Abstract |
現在までに約70の型のHuman Papillomavirus(以下HPV)が同定されているが、そのうち子宮頚癌の発生に関与しているのは10数種類である。これらのHigh Risk HPV型と子宮頚癌患者の臨床データを比較して以下の事が分かった。1)16型についで頻度が高い18型陽性の子宮頚癌の発症年齢は他型陽性の子宮頚癌患者に較べ有意に低い。2)16型、18型以外のHPV陽性子宮頚癌患者の発症年齢は有意に高い。3)HPV型は陽性子宮頚癌の病理組織型に関連する。これらの結果のうち2)に注目し、以下の実験を行っている。HPVは、E6, E7という二つの癌遺伝子をもつ。それらの産物はヒトの癌抑制遺伝子産物と結合し、その機能を阻害する。HPV16型及び18型のE6癌蛋白はp53と結合し、分解する。これ以外のHPV型のE6癌蛋白とのp53蛋白との結合性及び分解能に関して実験を進めている。方法としては、それぞれのHPV型のE6遺伝子領域をPCR法を用いてクローニングし、in vitroで発現させて、同様にin vitroで発現させたp53蛋白との結合性及び分解能をアッセイする。我々は既にHPV16型E6癌蛋白に変異を導入することにより、E6癌蛋白のp53蛋白に対する分解能がヒト細胞のトランスフォーメーション不可欠であることを明らかにした(Virology 212, 535-542, 1995)。このアッセイ系を利用し、16型及び18型以外のHPV型のE6癌蛋白とのp53蛋白との結合性及び分解能の測定を行っている。また子宮頚癌患者においては、大腸癌などとは異なり、p53蛋白に変異が少ないことが知られてきており、これについても子宮頚癌患者より抽出したDNAを用いて検索を行っている。
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Research Products
(1 results)