1995 Fiscal Year Annual Research Report
頚筋深部知覚入力による頚性めまい発現と緊張性頚反射の神経機序の研究
Project/Area Number |
07771432
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
杉内 友理子 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (30251523)
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Keywords | 緊張性頚反射 / 深部知覚入力 / 筋電図 |
Research Abstract |
ヒトにおける頚性めまいの病態生理の理解と確定診断法の確率を目指して、頚筋筋紡錘からの深部知覚入力が、頚性めまいや緊張性頚反射による姿勢調節に重要な役割をはたしていることを明らかにすることを目的とした基礎実験を行った。 実験には除脳ネコを用い、単一頚筋の末梢神経を個別に電気刺激し、頚性めまいの発現の有無は、前庭動眼反射と前庭脊髄反射を指標として解析した。すなわち末梢前庭神経を刺激し、外転神経活動を記録し、各頚筋の末梢神経の電気刺激の強度を変え、GroupIの筋紡錘神経を選択的に刺激し、その効果を調べた。同様に前庭脊髄反射に対する頚筋末梢神経の刺激効果を上肢の屈筋と伸筋の神経幹から記録して解析した。これまで緊張性頚反射をおこす動物モデル作成に成功した報告がないのは、頚部の解剖学的知見の欠如によるものと考えられる。頚部の筋自体も小さく、頚部の深部知覚に関与する頚筋の支配神経は非常に細く、さらにその解剖学的走行もきわめて複雑で、従来はほとんど知られていなかった。そのため、これまでの頚部の深部知覚神経の電気刺激実験のほとんど全てが、脊髄神経の後枝を、椎間孔から出てきた部位で全体をまとめて刺激していた。異なった作用を持つ頚部の求心神経を一括して電気刺激してしまうと、それぞれの効果がキャンセルし合い、全体としてみると、効果が無いように見えてしまう。我々はネコの頚部におけるさまざまな筋の支配神経の走行を詳細に解析し、それらを筋ごとに分離する技術を習得し、これを個別に電気刺激する方法を開発した(Sugiuchi et al.,1995)。そこで、この方法を活用し、除脳ネコにおいて異なる筋の深部知覚神経を刺激し分け、どの筋からの求心神経を刺激するとどのような効果が引き起こされるかを、四肢の屈筋・伸筋の筋電図活動により解析中である。さらに筋紡錘からのIa群線維の脊髄内での走行と終止部位をWGA-HRPの順行製標識を行って明らかにした。
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[Publications] Sugiuchi Y.: "Trisynaptic inhibition from the contralateral vertical semicircular canal nerves to neck motoneurons mediated by spinal commissural neurons." Journal of Neurophysiology. 73. 1973-1987 (1995)
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[Publications] Wilson V.J.: "The vestibulocollic reflex" Journal of Vestibular Research. 5. 147-170 (1995)
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[Publications] 杉内友理子: "運動制御にかかわる脊髄神経機構(9)下肢への前庭脊髄投射系" 脊椎脊髄ジャーナル. 8. 481-487 (1995)
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[Publications] 杉内友理子: "運動制御にかかわる脊髄神経機構(10)下肢γ運動ニューロンへの前庭脊髄投射系" 脊椎脊髄ジャーナル. 8. 885-896 (1995)
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[Publications] Sugiuchi Y.: "Vertigo,Nausea,Tinnifis and Hearing Loss in Central and Peripheral Vestibular Diseases" Elsevier, 401 (1995)
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[Publications] 杉内友理子: "イラストめまいの検査" 診断と治療社, 167 (1995)
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[Publications] 杉内友理子: "眼科学大系 7 神経眼科" 中山書店, 699 (1995)