1995 Fiscal Year Annual Research Report
難治性ぶどう膜炎の発症機序の解明および治療法の確立に関する研究
Project/Area Number |
07771550
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中村 聡 横浜市立大学, 医学部, 講師 (00237398)
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Keywords | ぶどう膜炎 / ベーチェット病 / 原田病 / HLA / Th1 / Th2 / DRB1^★0405 |
Research Abstract |
1.ベーチェット病 (1)ベーチェット病の病因遺伝子の解明 ベーチェット病の疾患感受性遺伝子としてHLA-B51が関わっていることは以前より知られているが,本年度はHLA-B,-C遺伝子を含むYACクローンをpWE15コスミドベクターにサブクローニングし,約600kbのコスミドコンティグを作製した.さらにFISHによりその約240kbが第6染色体領域である事を確認した.また現在cDNAライブラリーのスクリーニングおよびショットガンシークエンシングによるゲノムの塩基配列決定も進行中である. (2)ぶどう膜炎の免疫病態に関する研究 ヘルパーT細胞のサブセットであるTh1とTh2は産生サイトカインにより分類されるが,これまではクローニングによって解析されていた.我々は長期間培養する事なく,細胞内のサイトカインを染色してフローサイトメーターで解析する事で,末梢血におけるサブセットの比率を直接求める手技を確立した.これにより活動性のベーチェット病患者はTh1優位であり,疾患の寛解とともにTh2サブセットの比率が高まる事が明らかとなった. 2.原田病 本年度は,これまでの我々の研究で明らかとなった原田病疾患感受性遺伝子であるHLA-DR4のサブタイプであるDRB1^★0405をヒト悪性黒色腫細胞にトランスフェクトした.今後これを用いて疾患の原因となる抗原の決定をおこなう.
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[Publications] Mizuki N,他: "Microsatellite polymorphism between the tumor necrosis factor and HLA-B genes in Behcet's disease" Hum Immunol. 43. 129-135 (1995)
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[Publications] Ishioka M,他: "Prevalence of HTLV-I-associated uveitis in the Kanto Plain Japan" Graefe's Arch Clin Exp Ophthalmol. 233. 476-478 (1995)
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[Publications] Komiyama A,他: "Optic neuritis in cerebral toxocariasis" J Neurol Neurosurg Psychiatry. 59. 197-198 (1995)
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[Publications] Nakamura S,他: "Insufficient expression of Fas antigen on helper T cells in Behcet's disease" Br J Ophthalmol. 80. 174-176 (1995)
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[Publications] 中村 聡: "眼と免疫-基礎と臨床" 金原出版株式会社, 208 (1995)