1995 Fiscal Year Annual Research Report
根尖性および辺縁性歯周炎におけるIL-1およびIL-1raの産生動態の検討
Project/Area Number |
07771747
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北村 正博 大阪大学, 歯学部, 助手 (10243247)
|
Keywords | 根尖性歯周炎 / 辺縁性歯周炎 / IL-1 / IL-1ra / 臨床症状 / 根管内浸出液 / 歯肉溝浸出液 / PCR法 |
Research Abstract |
本研究では、根尖性および辺縁性歯周炎の局所病変から得られた浸出液中のインターロイキン-1(IL-1)やIL-1レセプター・アンタゴニスト(IL-1ra)をenzymelinked immunosorbent assay(ELISA)法を用いて検出するとともに、Polymerase Chain Research(PCR)法を応用して歯周病変部局所におけるIL-1およびIL-1raのmRNA発現量の測定を試みた。そして、両歯周炎の局所病変におけるIL-1とIL-1raの産生と臨床症状との関連性について検討した。その結果、感染根管および抜髄処置後の根管から採取された根管内浸出液中のIL-1α濃度の平均は、それぞれ約8.3pg/μlおよび1.5pg/μlであった。また、根管内浸出液中のIL-1α濃度と臨床症状との関連性は認められなかった。辺縁性歯周炎の病変部および健常部における歯肉溝滲出液(GCF)中のIL-1α濃度は、それぞれ約78pg/μlおよび36pg/μlであった。一方、GCF中のIL-1ra濃度は、辺縁性歯周炎の病変部ににおいて健常部に比べ高い傾向が認められた。また、辺縁性歯周炎の病変部組織におけるIL-1αおよびIL-1βのmRNA発現量は、健常部に比べ増加している傾向が認められた。さらに、歯肉線維芽細胞をIL-1αで刺激することにより、歯肉線維芽細胞におけるIL-1raのmRNA発現量の増加が認められた。本研究の結果は、IL-1は根尖性および辺縁性歯周炎の局所の炎症反応において重要な役割を果していることを示唆し、そのIL-1活性の調節機構としてIL-1ra関与している可能性があると考えられる。
|