1995 Fiscal Year Annual Research Report
培養上皮細胞に対する歯根と歯肉線維芽細胞および歯根膜線維芽細胞の相互作用について
Project/Area Number |
07771771
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
阿部 嘉裕 長崎大学, 歯学部, 助手 (70202687)
|
Keywords | 歯肉上皮細胞 / 歯根膜線維芽細胞 / 細胞培養 |
Research Abstract |
ラット接合上皮の再生歯肉上皮と歯牙移植後の再生皮膚上皮の免疫組織学的研究から、接合上皮と歯根あるいは歯根膜組織の相互作用を示唆した。そこで本実験では、ラット歯肉上皮細胞を歯根片、歯肉線維芽細胞、歯根膜線維芽細胞と共培養し、上皮の細胞学的変化を観察することで上皮細胞に及ぼす歯根や結合組織の影響について考察した。まずラット抜去歯に付着した歯根膜組織細胞の増殖度を確認するために、抜去歯を5-Bromo-2'-deoxyuridine(BrdU)0.1%含有D-MEM培養液中で1時間培養後、通法に従い固定脱灰しパラフィン包埋した。陰性コントロールは凍結解凍処理をした抜去歯を用いた。抗BrdUモノクローナル抗体を用いた免疫組織学的検索では、歯根に付着したほとんどの歯根膜線維細胞に陽性反応が認められ、歯根膜細胞のもつ高い増殖能を確認した。次にラット歯肉片から上皮細胞と歯肉結合組織細胞をDispase処理にて分解細分化し、歯根膜細胞は抜去歯根より採取した。それらをpenicillin-G,streptomycin,Amphotericin B含有培養液中で培養、継代した。上皮細胞は約7日で、歯肉線維芽細胞と歯根膜線維芽細胞は10〜14日でコンフルエントの状態になった。次に歯肉線維芽細胞と歯根膜線維芽細胞をfeeder layerとして培養し、そこに歯牙片を静置した状態で上皮細胞を播種し共培養した。しかしfeeder layerの安定性が不十分なために、それぞれの境界面が観察できるような状態の培養ができなかった。そこで線維芽細胞層の安定化のためにType Iコラーゲン含有培養液をもちい、コラーゲンをゲル化させることで安定させることを検討している。
|