1995 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイドホルモン及びTGF-βによる骨シアロタンパク質の転写の調節
Project/Area Number |
07771795
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小方 頼昌 日本大学, 松戸歯学部, 講師(専任扱) (90204065)
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Keywords | 骨シアロタンパク質 / ステロイドホルモン / TGF-β / グルココルチコイド / 遺伝子プロモーター / 転写調節 / 石灰化 / 分子生物学 |
Research Abstract |
1,骨芽細胞培養系にステロイドホルモン(グルココルチコイドまたはビタミンD_3)を添加後,RNAを抽出し,ノーザンブロットを行った結果,グルココルチコイド(デキサメサゾン)は骨シアロタンパク質(BSP)の転写を促進し,逆にビタミンD_3は抑制することが判明した. 2,グルココルチコイドの効果がmRNAの安定性に関与するかどうかを,RNA合成阻害剤を用いて検討したところ,グルココルチコイドは安定性には影響しないことが明らかになった. 3,BSPのcDNAを用いて,BSP遺伝子上流域(プロモーター)のクローニングを行い,約3000bpの塩基配列の決定を行ったところ,TATAボックスおよびCATボックスの塩基配列が逆方向であること,ビタミンD_3レセプター結合部位(VDRE)がTATAボックスと重複していること,転写開始の約1000bp上流にグルココルチコイドレセプター結合部位(GRE)が存在することが判明した. 4,BSPプロモーター中のGREをアイソトープで標識し,ゲルシフトアッセイにてグルココルチコイドレセプターとの結合性の検索を行った結果,両者が結合し,その結合がコンセンサスGRE配列と競合することが明らかになった. 5,ルシフェラーゼベクターに,種々の長さに調節したプロモーター遺伝子を挿入し,骨芽細胞様細胞(ROSI7/2.8cells)の中へDEAE-dextran法にてトランスフェクションしたところ,GREを含むコンストラクトをデキサメサゾンで刺激すると,ルシフェラーゼ活性の上昇が認められた.以上の結果より,BSPプロ-モーター中のGREを介してグルココルチコイドによる転写の調節が行われていると考えられた. 6,TGF-βの効果に関しては現在検討中であるが,ROS17/2.8cellsにおいてBSPmRNAの発現を上昇させることが判明している.
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Research Products
(1 results)