1995 Fiscal Year Annual Research Report
新世代象牙質接着システムのエナメル質に対する接着耐久性に関する研究
Project/Area Number |
07771805
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
秋本 尚武 鶴見大学, 歯学部, 助手 (40184113)
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Keywords | 新世代象牙質接着システム / エナメル質 / 接着耐久性 |
Research Abstract |
新世代の象牙質接着システムのエナメル質に対する接着を評価する目的で以下の実験を行った.冷凍保存した抜去ウシ下顎前歯を小型万能精密切断機マルトーマイクロカッターMC-201で半切した.試片の樹脂包埋は行わず,接着試験の被着面として半切した牛歯の縦断面および唇側面を平坦面に仕上げた面を用いた.この唇側面および縦断面平坦面にφ1.2mmの穴のあいたテープを貼り被着面積を規定した.象牙質接着材としてClearfil Linerbond II(クラレ)およびOptibond FL(Kerr)を用いた.被着面に各象牙質接着システムで前処理を行い,この上にφ2.0mm 高さ8.0mmの試作プラスチックモ-ルドを置きコンポジットレジンを填塞さらに引張り試験用フックをモ-ルド内に垂直に埋入し光照射を行った.コンポジットレジンはClearfil AP-X(クラレ)を使用した.各試料は生理的食塩水中に1日保管後,各試料の接着引張り強さをクロスヘッドスピード0.5mm/minにて測定した.1日保管後の接着強さから,縦断面の接着強さは唇側面の接着強さより有意に低くなることがわかった. 縦断面の接着強さ測定するにあたりエナメル質の厚さが約2.0mmと対象面積が非常に狭いことから,試作モ-ルドを製作し接着面積を1.2mmそして被着面積に対して垂直にコンポジットレジンが充填できるように工夫した. 通常エナメル質の接着強さを知るための被着面として唇面が用いられているが,今回の結果から被着面の部位について考慮する必要があることが示唆された.現在長期接着耐久性を知るための実験を継続中である.
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