1995 Fiscal Year Annual Research Report
ヒスタミンH_3受容体を介するnegative feedback機構について
Project/Area Number |
07771816
|
Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
井上 雅之 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (80269034)
|
Keywords | H_3受容体 / サブスタンスP / ヒスタミン |
Research Abstract |
1.末梢血管透過性亢進について 座骨神経の逆行性電気刺激により血管透過性が亢進し,足蹠皮膚中に色素の血管外漏出の増加が認められた.これはH_3-受容体のagonistである(R)^α-methylhistamine (MeHA) (0.5〜3mg/kg i. v.)により抑制され,antagonistであるThioperamide (Thio) (2mg/kg i. p.)によって拮抗された.このことから逆行性電気刺激によって生じた神経原性炎症に,H_3-受容体が抑制因子として関与していることが示唆される. 2.ラット足蹠皮下灌流液中のSubstance P (SP)遊離について a.逆行性電気刺激によりimmunoreactive SP (iSP)遊離が増加し,MeHA(0.25〜2mg/kg i. v.)によって用量依存的に抑制された.そしてThioはこのMeHAの抑制作用に拮抗した.更にiSP遊離はH_1-受容体antagonistであるMepyramine (Mepy) (5mg/kg i. p.)によって抑制された. b.Histamine (HA)刺激によりiSP遊離は増加し,MeHA (1mg/kg i. v.)によって抑制され,この抑制作用はThioで拮抗された.またiSP遊離はMepyで抑制された. ラット足蹠皮下灌流液中のHA遊離について a.逆行性電気刺激によりHA遊離増加が観察され,これはMeHA (0.25〜2mg/kg i. v.)によって用量依存的に抑制され,Thioにより拮抗された. b.SP刺激によってHA遊離は増加し,この遊離増加をMeHAは抑制し,Thioは拮抗した. 2と3の結果からH_1-受容体とH_3-受容体は知覚神経末梢端に存在し,SP遊離に対しH_1-受容体は促進的に,H_3-受容体は抑制的に調節することが示唆される.SP刺激によるHA遊離もH_3-受容体によって抑制を受けたことから,HAの主貯蔵細胞であるMast cellにおけるH_3-受容体の存在が示唆される.そのためMast cellにおけるH_3-受容体の存在と機能については,今後,更にin vitorでの実験系の考慮が必要と思われる.
|