1995 Fiscal Year Annual Research Report
キャスタブルガラスセラミクス-ポーセレンジャケットクラウンの強度に関する研究
Project/Area Number |
07771868
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
南 弘之 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (50244257)
|
Keywords | castable glass ceramics / ロストワックス法 / シェイディング / 歯科用porcelain / ベニアタイプ / フルベイクタイプ / 破壊試験 / 陶材焼付鋳造冠 |
Research Abstract |
金属を使用しない歯冠修復材料の一つとして、castable glass ceramics(DICOR)がある。この材料は、ロストワックス法を用いるため優れたで適合性を有し、形態の付与が容易であるなどの多くの利点を持つ反面、セラミック材料に特有の脆いという欠点を持つ。またこの材料は、全歯冠形態の一括回復を目的としたもので、色調の表現は表面へのシェイディングに依存するために、審美性に関しては自ずと限界があった。これらの問題点を解決するために、castable glass ceramicsをcopingとして用いることにより良好な適合性を得たうえで、歯科用porcelainを焼成する、独自のcastable glass ceramics-porcelain jacket crownを考案した。当初は、porcelainを唇面から切端部に焼成するベニアタイプとして導入したが、現在では、porcelainを歯冠表面全体に焼成するフルベイクタイプを用いる機会も増えている。 今回の研究では、castable glass ceramicsのみで全歯冠形態を再現したクラウンと、ベニアタイプならびにフルベイクタイプのクラウンに関して破壊試験を行なった。その結果、ベニアタイプならびにフルベイクタイプにすることによっても、castable glass ceramicsが本来より持つ物性を損なうことはなく、審美的には有利であることがわかった。ただしこれは焼成するporcelainの種類によって、多少の差異があるように思われた。 今後は、種々の荷重部位に付加を加え、荷重部位と破壊パターンの関係を明らかにしたい。また、現在セラミック修復物のなかでも最も強固と言われている、陶材焼付鋳造冠との比較を行ない、これに対してどの程度の強度を持つかを明らかにしたい。
|