1995 Fiscal Year Annual Research Report
三次元有限要素法を用いた上顎骨に植立された力学的に良好な歯科骨内インプラントの検索
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07771881
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
石川 俊哉 昭和大学, 歯学部, 助手 (00232257)
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Keywords | インプラント / 応力集中 / 三次元有限要素法 |
Research Abstract |
歯科骨内インプラントは、直接骨組織と接しているため、咬合咀嚼圧が加わったときには、応力が集中しやすい部位に相当する周囲骨の骨吸収が生じるが、特に上顎骨に植立された場合は皮質骨が薄く骨梁が脆弱なため、植立後の早期のインプラントの動揺や撤去などの予後不良例がしばしば見られる。そこで今回は、あらかじめアルコール固定されたヒトの歯牙欠損の見られる上顎骨標本に歯根部形態の違うスクリュータイプインプラントを植立し、歯根部の形態の違いによる、インプラントから骨に及ぼされる力学的影響の相違について検索した。 標本にスクリュータイプインプラントを植立し、それを樹脂包埋した後、約1mm間隔で連続切片を作成した。切片の各断面の形態をコンピューター入力し、三次元有限要素応力解析のためのシミュレーションモデルを作成した。各モデルにおいて、インプラントは歯根部形態以外の物理的性質などは同一条件とし、骨は形態および物理的性質などすべてを同一条件として応力解析を行った。荷重方向はインプラントの長軸方向および舌側から20°方向とし、荷重部位は上部構造とした。上部構造に荷重した時の各歯根部形態におけるインプラント体からその周囲骨に及ぼされる力学的影響の差違を検討した結果、インプラント歯根部先端の形態については偶角部が鋭角でないものは鋭角であるものよりもその偶角部に近接する周囲骨への大きな応力の集中が少ない傾向が示され、また、歯根部のネジ山の形態については表面積が大きくなるようなネジ山の形態のものが周囲骨への応力の分散が一様であり、応力の集中が少ない傾向が示された。そして、三次元有限要素法で歯根部の形態が良好とわかったインプラントを歯牙欠損のみられるサルの上顎に通法に従って植立し、動揺度および浸出液などの臨床的予後を追跡中であり、その予後と三次元有限要素法の結果との関連性を検討しているところである。
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