1995 Fiscal Year Annual Research Report
歯芽移植・再植を臨床応用するための保存方法に関する基礎的検討
Project/Area Number |
07771887
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
瀧澤 秀樹 昭和大学, 歯学部, 助手 (50236387)
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Keywords | 氷温保存 / 超氷温保存 / 歯芽移植・再植 |
Research Abstract |
ウィスター系ラットの上顎前歯を抜去し、4種類の保存液中にて氷温保存を行ったのに、保存した歯牙に付着している歯根膜細胞の生物学的活性を検索した。 使用した保存液はUW液(臓器保存液)、Euro-collins液(臓器保存液)、D-MEM(細胞培養液)、DDS(生理的食塩水)の4種類である。 保存温度は、氷温保存として0℃(±1℃)、冷蔵保存として4℃(±1℃)の2種類の温度帯を設定し、保存期間は0、6、12時間、1、2、4日、1、2、3、4週間とした。 抜歯は通法にしたがい歯根を破折しないよう注意深く抜去し、ただちにリン酸緩衝溶液で血液成分を洗い流してから10倍濃度の抗生剤溶液で洗浄した。その後、上記の各種保存液中に単純浸漬し、各種条件により保存を行った。保存終了後、歯牙に付着している歯根膜を剥離し、out-growth法にて2週間培養し、歯根膜細胞の生物学的活性を検索した。 それぞれの保存例において細胞の活性を維持し得た最長例は、氷温保存例ではUW液が7日、Euro-collins液が4日、D-MEMが2日、DDSが1日であった。しかし、冷蔵保存例ではUW液が最長4日で、その他の保存液についても氷温保存例と比較すると歯根膜の生物学的活性を保存できた最長期間は若干減少傾向を示した. 以上の結果より、歯牙の氷温保存はきわめて有用な方法であり、歯牙移植、再植への応用が示唆された。現在氷温域のより厳密なコントロールを行った超氷温実験を行っている.
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