1995 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌後発頚部リンパ節転移の超音波診断に関する研究-穿刺吸引生検を含めて-
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07771928
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
林 孝文 新潟大学, 歯学部, 講師 (80198845)
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Keywords | 超音波断層撮影 / 口腔癌 / 舌癌 / 頚部リンパ節転移 / 後発リンパ節転移 / 潜在的リンパ節転移 / 内部エコー / 穿刺吸引細胞診 |
Research Abstract |
1991年から1994年までの間に当施設で経験した舌癌の後発リンパ節転移を生じた9症例のretrospectiveな検討の結果、2回の超音波による経過観察の間にリンパ節の短径が増大したもの7例、あるいは内部エコーが明らかに変化したもの4例であり、短径と内部エコーの変化が有力な指標となりうることが示唆された。今年度は超音波による経過観察により舌癌2例の潜在的転移を検出した。1例目は48歳女性で、舌癌(T1NO)の診断のもと、原発巣の手術後およそ10日に1回の頻度で所属リンパ節の経過観察を行っていたところ、術後1カ月で顎下リンパ節及び中内深頚リンパ節に転移陽性所見を検出した。2例目は77歳の男性で、左舌癌(T2NO)の診断にて原発巣の手術後、約1カ月に1回の頻度でUSによる経過観察を行っていたところ、術後5カ月の時点で中内深頚リンパ節2個に転移陽性所見を検出した。いずれも臨床的には検出不可能であり、同時期のCTでも転移陽性と判定し得ない小さなリンパ節であった。以上2例は購入したパーソナルコンピュータに超音波画像を取り込み、リンパ節個々の確実なidentificationを行うとともに大きさ(短径)と内部エコーの変化を正確に評価することにより、潜在的なリンパ節転移を早期に検出い得たものである。症例数としては少なく適切なリコール期間を求めることは困難だが、少なくとも10日で変化を検出し得る場合がある点からすると、10日〜2週間に1回の経過観察が望ましいものと思われる。超音波ガイド下穿刺吸引細胞診は、10MHz探触子用穿刺アダプター(アロカ社MP‐2461)を準備したが、2症例とも口腔外科の適切な判断により迅速な頚部郭清術を施行しえたことから、その必要性はなかった。穿刺吸引生検が生存率向上に寄与するという報告があるが、10MHz探触子により2週間に1回の経過観察を励行し、適切な処置を迅速に施行可能な環境であれば、その必要性は必ずしも高いものではないと判断される。
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