1995 Fiscal Year Annual Research Report
視床髄板内核侵害受容ニューロンに及ぼす笑気吸入の影響と下行性抑制系の関与の検討
Project/Area Number |
07771966
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
岩本 將嗣 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (20223430)
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Keywords | ラット / 視床髄板内核 / 笑気 / 侵害受容ニューロン / 鎮痛作用 / スパイク発射 / 中脳中心灰白質 / ナロキソン |
Research Abstract |
本研究では、ウレタン・クロラローズで麻酔したSD系ラットを用いて、三叉神経系を含んだ感覚入力の伝達経路である視床髄板内核群の侵害受容ニューロンに対して侵害刺激を行った場合のスパイク発射活動を観察した。電極には、抵抗値が5〜10MΩのガラス毛細管微小電極を使用した。視床髄板内核群の中から、外側中心核と束傍核から単一ニューロンのスパイク発射活動を細胞外電位として導出した。規格化した自然刺激(動脈クレンメによるピンチ、筆によるブラッシング等)を用いて、単一ニューロンの受容野を決定し、その機能的同定を行った。空気吸入時の一定の電気刺激に対する単一ニューロンのスパイク発射を記録し、これをコントロールとした。その後、笑気吸入を開始しコントロールと同一の記録を繰り返し経過を観察した。発射活動は、すべてデーターレコーダーに記録した。また、中脳中心灰白質の電気刺激を行って、笑気吸入の場合と同様に一連の記録を繰り返し経過を観察した。さらに、その際のオピエ-ト受容体拮抗薬ナロキソン投与による変化を調べた。また、ミダゾラム(ベンゾジアゼピン系抗不安薬)の投与も行い同様に経過を観察した。実験終了後、イオン導入による記録部位の色素マ-キングを行い、固定・保存した。後日、スパイク発射数のヒストグラムを作成し、最高発射数による比較検討を行った。また、連続凍結切片を作製し、記録部位を組織学的に確認した。 視床髄板内核侵害受容ニューロンにおいて、笑気吸入および中脳中心灰白質の電気刺激によりスパイク発射数の減少を示す固体が多く認められた。ミダゾラム投与でも同様の傾向を示した。オピエ-ト受容体拮抗薬ナロキソンの投与では、発射数に明らかな変化は認められなかった。結果の一部は、第23回日本歯科麻酔学会総会(平成7年10月)において発表した。本研究は、笑気の鎮痛・鎮静作用の解明に貢献できるものと思われる。
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