1995 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌と周囲組織におけるMnSODおよびCuZnSODのmRNA発現の比較検討
Project/Area Number |
07771977
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
佐藤 篤 昭和大学, 歯学部・第二口腔外科学教室, 助手 (30192090)
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Keywords | 活性酸素 / NA細胞 / PT-PCR法 / xantine-xantine oxidase / CuZnSOD / MnSOD / catalase / GSH-px |
Research Abstract |
近年、ある種の抗癌剤が活性酸素を産生し、その活性酸素が抗腫瘍作用として働くことが示唆されている。また、悪性腫瘍に対する治療法の一つである放射線療法も活性酸素が関与していることが示唆されている。そこで、我々は以前に好中球の活性酸素産生におよぼすブレオマイシンの効果(日口外誌34 : 1852-1856, 1988)とブレオマイシンによる好中球の活性酸素産生2対するサイトカインの効果(日口外誌、38 : 1498-15071992)を報告し、ブレオマイシンにより産生された活性酸素が抗腫瘍性に働く可能性を示唆した。また、腫瘍細胞の放射線感受性はその細胞のもつCuZnSOD活性と負の相関があることを報告した(FreeRadicalBiology&Medicine, Vol. 17, No5 389-395, 1994)。一方、化学療法や放射線療法において、その使用を繰り返すことにより、臨床上しばしば抗癌剤や放射線に対する腫瘍の感受性の低下を経験することがある。そこで、今回我々はPT-PCR法を用いて、当教室で樹立されたヒト舌扁平上皮癌細胞株NAをxantine-xantine oxidase系により産生した活性酸素に暴露した際の活性酸素に対するscavengerのmRNAの発現を検討した。結果は、NAに活性酸素を暴露した際、20分という比較的短時間にCuZnSOD、catalase, GSH-pxといったscavengerのmRNAが誘導された。また、ミトコンドリアに主に存在し活性酸素を消去するMnSODについてはすべての条件、時間でmRNAは誘導されなかった。今後は、活性酸素産生するような抗癌剤に対しても、NAのscavengerの遺伝子発現について検討する予定である。
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