1995 Fiscal Year Annual Research Report
歯牙交換期の歯髄歯胚神経の侵入へのNGFの関与について
Project/Area Number |
07772026
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
石通 宏行 広島大学, 歯学部, 助手 (50203013)
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Keywords | 歯髄神経 |
Research Abstract |
本研究では齲蝕以外の理由により抜歯されたヒト幼若永久歯を用いてその歯根完成程度と歯髄内の神経線維分布。また,固定法や,切片作成法の違いによる染色性の比較を行った。研究に用いた歯牙は交換期に矯正治療を目的に抜歯された幼若永久歯,または,齲蝕以外の理由で抜歯された第3大臼歯を用いた。 歯根の完成度により,Moorees, Fanning, Huntの歯牙形成発育段階により Cli,R1/4,R1/2,R1/3に分類した。 歯牙を通法に従いパラフォルムアルデヒド保存液で固定し,1)EDTA脱灰液中で脱灰し,パラフィン包埋を行いパラフィン切片を作成する。2)歯冠の切断を行い,歯髄を取り出し,凍結切片を作成する。の2法により染色性の比較を行った。 連続切片を作成し,Neuro Fillament ProteinのABCキットを用いた免疫染色を行なった結果,パラフィン切片ではCli,R1/4に比べR1/2,R3/4ではNeuro Fillament Proteinの染色性が劣っていた。また,凍結切片では歯根の完成度に関わらず,良好な染色性を示したが,象牙質直下の歯牙硬組織との剥離部では組織に,剥離による損傷が見られ,同部の検鏡には適さないものも多かった。 連続切片標本を作成し,連続的に検鏡した画像を画像処理用専用ソフトウエアーにて神経線維をト-レスし,立体再構成を行なう場合均一な染色性をもって標識されることは大変重要であるが,そのための条件である組織内の抗原性の保存のためには,歯牙硬組織内の歯髄組織の固定に通法の浸漬固定では浸透性に問題があることが明らかとなった。
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