1995 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属エノレートを経る触媒的不斉アルドール反応の開発研究
Project/Area Number |
07772089
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
袖岡 幹子 東京大学, 薬学部, 助手 (60192142)
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Keywords | 不斉アルドール反応 / パラジウムエノレート / パラジウムアクオ錯体 |
Research Abstract |
含水DMF中、モレキュラーシブス存在下に5mol%のPdCl_2[(R)-binap]錯体と5mol%の銀塩から系中で調製した触媒を用いることによりトリメチルシリルエノールエーテルとアルデヒドとのアルドール反応がスムースに進行し、光学活性アルドール(〜73%ee)が収率良く得られる事を見いだした。さらに触媒に関する検討を行った結果、含水アセトン中PdCl_2[(R)-binap]錯体に2当量の銀テトラフルオロホウ酸を反応させることにより合成して結晶として単離し、X線結晶解析によりその構造を確認したパラジウムジアクオ錯体(Pd^<2+>[(R)-binap](H_2O)_2・2BF_4-)がより高い触媒活性を示し、僅か0.5mol%の触媒量でほぼ定量的に光学活性アルドール体を与える事を見いだした。また、^1H-NMRにより本反応のメカニズムを詳細に検討した結果、本反応がパラジウムエノレートを経ている反応である事を確認することができた。
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