1995 Fiscal Year Annual Research Report
脂質二分子膜中で安定に存在するイオンチャンネルの構築
Project/Area Number |
07772095
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長岡 康夫 京都大学, 薬学部, 助手 (90243039)
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Keywords | トリコスポリン / イオンチャンネル / ペプタイボール / ペプチドダイマー / α-アミノイソ酪酸 |
Research Abstract |
Trichosporin(TS)[AcUAUAUUQUIUGLUPVUUQQFol,Ac=アセチル、U=α-アミノイソ酪酸、Fol=フェニルアラニノール]は脂質二分子膜に電圧依存性のイオンチャンネルを形成するペプチド性抗生物質である。TSは脂質二分子膜中にヘリックスが束状に集まった構造(ヘリックスバンドル型)のイオンチャンネルを形成すると考えられている。このチャンネルはヘリックスの取込みと脱離により数ミリ秒単位でその内径を変える事によりそのチャンネルコンダクタンスを変化させると予測される。本研究においてはTSチャンネルがヘリックスバンドル型であることの証明と安定なTSイオンチャンネルの構築とを目的にTS二量体の合成を行った。 1.合成:TSの7位グルタミン(Q)をアセトアミドメチル保護システイン[C(Acm)]で置換した誘導体[C(Acm)^7]TSを1-17位のフラグメントと18-20位のフラグメントの縮合により合成した。1-17位のフラグメントは主に酸フッ化物を用いた固相法を利用し高収率で得ることができた。18-20位のフラグメントの合成とフラグメント縮合はDCC-additiveにより行った。[C(Acm)^7]TSのメタノール溶液にヨウ素を作用させ[C^7]TSのジスルフィド二量体の合成を完成させた。 2.二次構造:ジスルフィド二量体のメタノール中でのCDは222nmと208nm付近に負のコットン効果を示し、TSと同様にヘリックス構造をとることが示された。 3.イオンチャンネル特性は現在検討中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nagaoka, Y.: "Role of Gln^7 in the Ion-Channel-forming Propenties of a Peptaibcl, Trichospcrin-B-Vla" J, Chem. Soc., Chem. Commun.(発表予定).
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[Publications] Nagaoka, Y.: "Role of Proline Residue in the Channel-Forming and Catecholamine-Releasing Activities of the Peptaibol, Trichosporin-B-Vla" Biochim. Biophys, Acta. (発表予定).
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[Publications] Nagaoka, Y.: "Ion-Channel forming and Catecholamine-releasing Activities of Elongated and Truncated Analogs of Trichosporin-B" J, Chem. Soc., Chem. Commun.1995. 2203-2204 (1995)
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[Publications] Tachikawa, E.: "Properties of Trichosporin-B-Vla-induced Catecholamine Secretion from Bovine Adrenal Chromaffin Cells" Biol. Pharm. Bull.18(8). 1165-1167 (1995)