1995 Fiscal Year Annual Research Report
スクアレン合成酵素阻害剤、スクアレスタチン類及びザラゴジックアシッド類の合成研究
Project/Area Number |
07772118
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
矢倉 隆之 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (70220126)
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Keywords | スクアレン合成酵素阻害剤 / スクアレスタチン / ザラゴジックアシッド / 2,8-ジオキソビシクロ[3,2,1]オクタン骨格 / トリカルボン酸 / 立体選択的オスミウム酸化 |
Research Abstract |
スクアレスタチン及びザラゴジックアシッド類に共通な中央のトリカルボン酸を有する2,8-ジオキソビシクロ[3,2,1]オクタン骨格の合成を検討した。特に連続する二つの三級水酸基の構築を目指し、まず予備実験としてメチルプロピオ-レとジイソプチルアルミニウムより調製したメチルα-アルミノアクリレートとイソプチルアルデヒドのアルドール型反応によりアリルアルコールを合成した。このものの立体選択的オスミウム酸化を検討したところ、単一のトリヒドロキシ体が得られたが低収率だった。そこでアリル位の水酸基をt-プチルジメチルシリル基で保護した後、オスミウム酸化したところ、収率は89%と向上したが、選択性は逆に9:1と減少した。このことは、オスミウム酸化において水酸基が立体選択性に大きく関与していることを示している。次に立体選択的に得られたトリオールを用い、そのエステル部の化学変換を検討した。まずトリオール部の一級水酸基を選択的にt-ブチルジメチルシリン基で保護し、次いでジイソブチルアルミニウムや水素化リチウムアルミニウムで還元したが、反応はほとんど進行しなかった。これはとなりの四級炭素の大きな立体障害のためにエステル部の反応活性が大きく低下したものと考察される。そこでその四級炭素を環構造で固定することにより立体障害の低下を期待した。トリオール体をアセトナイドで保護した後、還元反応を行ったが、反応はほとんど進行しなかった。 つぎに、われわれが開発したニトロオレフィン類とγ-ヒドロキシイノアートとの二重共役付加反応で得られるエキソ2重結合を持つ5員還エーテル化合物を出発原料とした連続する二つの三級水酸基の構築の検討を開始したが、まだ新しい知見は得られていない。今後さらなる検討を行う予定である。
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