1995 Fiscal Year Annual Research Report
内在性カンナビノイド受容体リガンド・アナンダミドの微量分離定量法の開発
Project/Area Number |
07772130
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三田 智文 東京大学, 薬学部, 助手 (30187306)
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Keywords | アナンダミド / カンナビノイド / 高速液体クロマトグラフィー / 蛍光 |
Research Abstract |
内在性カンナビノイド受容体リガンド・アラキドニルエタノールアミド(アナンダミド)の高感度分離定量法を開発した。アナンダミドはアルコール基を有するので、ベンゾフラザン骨格を有するアルコール類の蛍光標識化試薬であるDBD-COClを用いて標識化した。標識化反応はベンゼン溶液中、60℃、40分で定量的に進行することが明かになった。反応終了後、反応液を高速液体クロマトグラフィーにより分離・定量した。分離には逆相カラムを用い、また検出には蛍光検出器を用いた。この結果、この方法によりアナンダミドの検出限界は20フェムトモル/注入量という極微量で検出可能となった。また、アナンダミドのアラキドン酸部分がパルミチン酸、オレイン酸、エイコサペンタノイル酸に変化したアナンダミド類縁体もこの方法で同様に分離検出可能であり、これらの類縁体は相互に良好に分離可能であった。これらの結果を裏面に示す論文として発表した。 次に、ラット脳内からアナンダミドを抽出し脳内アナンダミドを定量することを試みた。まず、ラット脳からFolch法により総脂質画分を抽出した後、アセトン沈澱法により抽出物を精製した。次にこの試料を蛍光標識化せずに直接検出する方法を検討した。直接検出法には、高速液体クロマトグラフィー-大気圧化学イオン化質量分析法を用いた。この方法により脳内アナンダミドを標識化することなく直接定量することが可能になった。そこでラット脳を大脳、小脳、海馬などの部位に分け、各々の部位におけるアナンダミドおよびその類縁体を定量した。また、これらの部位のアナンダミド量はラット週齢の週齢によって差がみられた。これらの結果は日本薬学会第116年会において発表予定である。
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Research Products
(1 results)