1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07772216
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
日野 朋美 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (90242510)
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Keywords | アミノ酸 / 皮膚透過性 / イオン種 / 拡散性 |
Research Abstract |
1.アミノ酸の皮膚透過性の測定 2-チャンバー拡散セルを用いたin vitro 皮膚透過実験により、中性、塩基性及び酸性アミノ酸の種々pH緩衝溶液からのラット摘出皮膚透過性を測定した。中性アミノ酸は炭素数の多いものほど全てのpHで高い皮膚透過性を示した。また、どの中性アミノ酸の場合もその透過性は酸性側で高かった。これらのデータと解離定数から個々のイオン種の透過係数を算出したところ、カチオンの透過係数は両性イオンより高かく、また、両イオンとも炭素数の多いアミノ酸ほど高い透過係数を示した。塩基性アミノ酸のリジンと酸性アミノ酸のアスパラギン酸の皮膚透過もpHの低下と共に増加する傾向を示し、個々のイオンの透過性が異なることが明きらかとなった。 2.アミノ酸の皮膚透過性と構造及び物性との関係の評価 1.で得られた両性アミノ酸の各イオン種の透過係数と物性の関係について検討した。カチオン、両性イオンともその透過係数はアミノ酸のモル容積の増加にともない指数関数的に低下したが、オクタノール/水分配係数との間には明確な関係が認められなかった。これは細孔膜に特徴的な傾向であり、アミノ酸のイオンは皮膚のporeを透過することが示唆された。各イオン種の透過性をモル容積を補正して比較すると、2価のカチオン>1価のカチオン>正電荷の両性イオン>電荷のない両性イオン>負電荷の両性イオンの順であり、正電荷は透過に有利に負電荷は不利に働くことが明きらかとなった。カルボキシルイオンは水中で正の水和構造を、第1級アンモニウムイオンは負の水和構造をとることが知られており、この水和の違いが水中の拡散性、ひいては皮膚のpore中の拡散性の差の原因であることが推察された。
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