1995 Fiscal Year Annual Research Report
新しい癌関連抗原GA733-1に対する抗血清作製と抗原解析
Project/Area Number |
07772259
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
荒川 文子 福岡大学, 医学部, 助手 (50212618)
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Keywords | GA733-1 / EGP-1 / Trop-2 / SCLC CL13 / RS-7MAb |
Research Abstract |
1.GA733-1 cDNAクローンの単離:GA733-1の塩基配列を基に、coding regionをはさむ2つのoligonucleotide primerを合成し、human choriocarcinoma JEG-3 poly(A)^+RNAを用いてRT-PCRを行ない、約1kbの増幅bandを得た。このcDNAをpT7-Blue T-vectorに挿入して、塩基配列を確認した結果、Linnenbach A.J.et al.(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,86:27-31,1989)報告のものと同一のGA733-1 cDNAクローンを単離した。 2.融合蛋白系でのGA733-1抗原(一部分)の大量発現:GA733-1推定アミノ酸で親水性の強い領域と推則される約60アミノ酸部位に相当するDNA領域をPCRで増幅単離し、融合蛋白発現vector pGEXに挿入した。E.coli JM101を用いて、IPTGによりGA733-1(一部分)を分子量26,000のGST(Glutathione S-transferase)ドメインとの融合蛋白の形で発現させたが、目的の大きさの分子量約32,000前後の融合蛋白を得ることができず、抗血清を作製することができなかった。 3.今後の研究計画:GA733-1抗原は、SCLC(small-cell lung cancer)CL-13抗体が認識する抗原EGP-1(epithelial glycoprotein 1)(Stein R.et al.:Int.J.Cancer Supplement 8,98-102,1994)、またcell-surface glycoproteinであるTrop-2のmolecular cloning(Fornaro M.et al.:Int J.Cancer 62,610-618,1995)より同一のものであることが報告された。分子量46-48kDaの糖蛋白で、tumorではlung,stomach,bladder,breast,ovary,uterus,prostateに、また、ほとんどの正常組織では、negativeであるが、glandular cell,epithelial cellに分布していた。さらに、この抗原を認識する単クローン抗体としては、RS7、MR23、MOv-16などがある。今後は、今回とは別の領域(2-3ヶ所)でGA733-1融合蛋白を作製し、マウスに免疫して得た脾臓細胞よりファージ抗体ライブラリーを作製し、より特異性、親和性の高い一本鎖化抗体(scFv)を得、GA733-1抗原とその抗体が画像診断や免疫療法などに応用できるかを検討していきたい。
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