1995 Fiscal Year Annual Research Report
女性ホルモンと免疫機能の変動からみた中高年女性の運動の効果に関する研究
Project/Area Number |
07772270
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
杉浦 浩子 岐阜大学, 医療技術短期大学部, 助手 (60252152)
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Keywords | 女性ホルモン / 免疫機能 / 運動 / 中高年女性 |
Research Abstract |
女性ホルモンの急激な減少を契機とした高脂血症や骨粗鬆症の罹患率の増加が近年問題となっている。内分泌系のバランスの崩れはこうした代謝に影響するのみならず、神経系、免疫系にも多大な影響を及ぼすことが考えられるが、明らかにされていないところが多い。そこで、本研究では40名の女性を対象に、免疫機能と女性ホルモンとの関連性を検討し、さらに運動によって免疫機能がどのような作用を受けるかについて検討した。 対象者のEstragio12とFSHの結果から、閉経・減少・正常の3群に分け、比較を行い、以下のような結果を得た。 1.Concanavalin Aに対するリンパ球の増殖反応(S.I)では、3群間での差は認められず、ホルモン分泌には影響されないと考えられる。また、運動によっての反応性の高まりは6ヶ月後、1年後の両者において個人差が大きく、運動の影響は受けなかった。 2.PHAに対するリンパ球の増殖反応(S.I)では、有意差はみられなかったが、正常群2.22、閉経群2.13に対して減少群2.03と低値であった。また、運動による反応性の高まりはどの群においてもみられ、6ヶ月後では全体で有意差が認められた(P<0.05)。3群間を比較すると最も反応性が高まったのが正常群で、次いで閉経群、減少群であった。 3.NK活性では、非常に個人差が大きく、群間比較が困難であった。また、運動による6ヶ月後および1年後の変化をみても、変化の大きさに個人差が大きく、有効な結果は得られなかった。 疫機能に影響するものは食事、ストレスなど生活の中にもあり、純粋にホルモンのみの影響を明らかにするのは非常に困難であるが、PHAに対するリンパ球の増殖反応において減少群が他群より低かったことはホルモンとの関連性を否定しきれないものであり、さらに症例を増やして検討する必要がある(現在、とりかかり中)。また、免疫機能の指標についてもできるだけ生活因子に影響を受けにくいものを検討していかなければならない。
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