1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07780037
|
Research Institution | Matsuyama Shinonome Junior College |
Principal Investigator |
太田 さち 松山東雲短期大学, その他部局等, 講師 (30194161)
|
Keywords | 団らん / キッチン / 家族 / コミュニケーション |
Research Abstract |
現代において、家族員それぞれの生活の多様化によって、家族の団らんのあり方も変化してきた。そこで、本研究では、家族生活と家族関係、家族の団らん及び家族が共用する食事・団らん空間に対する家族全員の意見を把握し、より詳しい家族関係と住空間の関連をみ、家族全員が満足できるよりよい住空間のあり方を探ることを目的として調査研究を行った。 調査は、キッチンのタイプを対面型キッチン(以下『対面型』と略す)とその他のキッチン(以下『その他』と略す)とに分けて調査用紙を作成した。また、それぞれのキッチンごとに、主たるキッチン作業者とその他の家族員の調査用紙も分け、計4種類の調査用紙を作成した。調査期間は平成7年9月〜11月、調査対象は愛媛県松山市内の集合住宅・戸建住宅居住者で、配布数260部、回収数185部、回収率71.2%である。 まず、キッチンタイプの選択理由については、その他では「部屋を広く使えるから」「特に考えなかった」が、対面型では「家族と団らんをしながら作業ができる」が最も多く、対面型を選んだ家庭は、特徴を考えた上で積極的に選択していることが伺えた。 団らんへの参加程度については、キッチン作業者が作業をしながら団らんに参加していると認識している割合が、対面型の方がキッチン作業者・家族ともにその他よりも多くなっていた。また、キッチンに対する満足度も、対面型の方がキッチン作業者・家族ともにその他よりも高くなっていた。特に、キッチンと食事・団らん空間とのつながりやキッチン全体の満足度ではその差が顕著い現われた。以上の結果から、家族そろっての団らんが困難になりつつある現代日本において、対面型キッチンの特徴は、家族のコミュニケーションをはかる上で、主婦のみならず、その他の家族員にも受け入れられているといえよう。
|