1995 Fiscal Year Annual Research Report
オブジェクト・マイグレーションに基づいた分散協調プログラミングシステムの研究
Project/Area Number |
07780221
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加藤 和彦 筑波大学, 電子・情報工学系, 講師 (90224493)
|
Keywords | オブジェクト指向 / 分散オペレーティングシステム / 分散協調処理 / メモリマップアーキテクチャ / オブジェクトマイグレーション / プログラミングシステム |
Research Abstract |
研究代表者らは分散協調アプリケーション構築を支援するための分散オペレーティング・システムとして分散共有格納庫(Distributed Shared Repository; 以下DSR)システムの研究開発を進めている.本研究では,DSRシステムのメモリセグメントのマイグレーション機能を拡張してオブジェクト・マイグレーションを可能とすると共に,オブジェクト・マイグレーションに基づいた分散協調プログラミングシステムの設計を行った.具体的には以下の諸点について,研究を行った. 1.オブジェクト・マイグレーションに基づいた分散プログラミングモデルの設計 オブジェクト・マイグレーション機能を積極的に利用した新しい分散プログラミングモデルの設計を行った.このプログラミングモデルは,内部にスレッドを含むアクティブオブジェクトと,含まないパッシブオブジェクトの両方をサポートし,それらのオブジェクトに分散性と永続性を統一的な枠組みのもとで与えるという特徴を有する. 2.オブジェクト・マイグレーションの基本実行時システムの開発 1.で設計したシステムモデルを実現するのに必要なオブジェクトマイグレーションの基本実行時システムをDSRシステム上に開発した.この実行時システムは,仮想記憶管理ハードウェア(MMU)を用いてCPUにより参照されたページを検出し,参照されたページのみを遠隔コンピュータサイトより転送する機能を有する. 3.アクティブオブジェクトとパッシブオブジェクトのマイグレーション技術の開発. 2.で開発した基本実行時システムの上に,アクテェブオブジェクトとパッシブオブジェクトをマイグレート可能とするソフトウェア階層を作成した.このソフトウェア階層は,プログラムコードの動的リンク機能,アドレス空間依存情報(ポインタ)の繰り返し的再配置機能,そしてスレッドの仮想記憶空間からの分離および再接続機能を持っている.
|
-
[Publications] 加藤和彦: "分散OS XERQ: 分散処理と永続処理の統一的取り扱いを目指して" 情報処理学会誌「情報処理」. 36. 708-714 (1995)
-
[Publications] 東村邦彦: "オブジェクトモビリティに基づいた分散プログラミングシステムについて" オブジェクト指向コンピューティングIV,日本ソフトウェア科学会近代科学社. 19-28 (1995)
-
[Publications] 河野健二: "仮想記憶技術と統合された遠隔手続き呼び出しの技術を用いた移動可能学分散オブジェクトについて" オブジェクト指向コンピューティングIV,日本ソフトウェア科学会近代科学社. 9-18 (1995)
-
[Publications] 加藤和彦: "モ-ビルオブジェクトの概念に基づいた広域分散システムPlanetのシステムモデルについて" 日本ソフトウェア科学会 第12回オブジェクト指向計算ワークショップ論文集. (掲載予定). (1995)
-
[Publications] Kenji Kono: "On Implemeneation Meehod of Migratable Diseributed Objects using an RPC Technique Incegreed with Vireual Memory" Proc. of European Conference of Object-Oriented Programming. (掲載予定). (1996)