1995 Fiscal Year Annual Research Report
データフローベース高並列プログラミング言語の汎用並列計算機上の実装方式の研究
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07780281
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
日下部 茂 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (70234416)
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Keywords | 並列処理 / 並列言語 / 並列オブジェクト指向 / マルチエージェント / 細粒度スレッド処理 / データフロー / コンパイラ |
Research Abstract |
本年度は,データフロー概念にもとづく超並列V言語の実用性を示すため,汎用並列計算機である富士通AP1000や,SUNワークステーションへの効率の良い実装を中心に以下のような研究を遂行した. コンパイラ コンパイラの最適化処理においては並列計算のアーキテクチャ依存部と非依存部を意識的し,最適化のレベルを,対象機種間に共通の最適化/対象機種間でアルゴリズムが共通の最適化/対象機種ごとに異なる最適化,のように切り分け,各レベルでの最適化の研究を行なった. 初期フェーズでは宣言的に記述されたソースプログラムからデータ依存関係を抽出しマルチスレッ実行モデルにもとづく中間コードに変換し,後半フェーズで中間コードからターゲット計算機対応のマシンコードに変換する.初期フェーズの処理では機種間共通に施す最適化手法,データフローセマンティクスによって生じる冗長データコピーの削減などを重点的に行なった. プログラミング環境の整備 効率的実行環境を提供するための実行時ルーチンやプログラミング環境の整備を行なった.これらの環境の構築は,従来型の並列言語でも行なわれているが,V言語はデータフローモデルに基づくため,静的なデバグが比較的容易,細粒度の並列性を持つなどの特徴のため従来とは異なる着目点が必要である.V言語プログラムの実行順は,半順序でしか決まらず静的に振舞いを予想することが困難な場合が多い.そのため,実行時情報を利用した細粒度並列実行の可視化可視化環境の構築も行なった.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Tetsuo Kawano: "Fine-grain Multi-thread Processor Architecture for Massively Parallel Processing" Proc.of High-Performance Computer Architecture Symposium. 308-317 (1995)
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[Publications] 日下部茂: "データフロー関数型言語の並列化コンパイラにおける配列の静的コピー除去" 並列処理シンポジウムJSPP'95論文集. 161-168 (1995)
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[Publications] Shigeru Kusakabe: "A Dataflow Language with Object-based Extension and Its Implementation on a Commercially Available Parallel Machine" Proc.of ACM Int'1 Conf.on Supercomputing. 308-317 (1995)
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[Publications] 川野哲生: "細粒度マルチスレッド処理向けプロセッサDatarol-IIの構成と評価" 情報処理学会論文集. 36. 1700-1708 (1995)
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[Publications] 日下部茂: "データフローモデルに基づく超並列V言語とその商用並列計算機上の実装について" 情報処理学会論文誌. 36. 1529-1541 (1995)
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[Publications] 西村潔俊: "実行時情報を利用した細粒度並列実行の可視化" 電気関係学会九州支部連合会大会論文集. 729-729 (1995)
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[Publications] Shiger Kusakabe(Ed.:L.Bic et al.): "Implementation of Parallel Functional Language on Conventional Multi-processors(in Parallel Language and Compiler Research in Japan)" Kluwer Academic Publisher, 522 (1995)