1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07780298
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
張 善俊 室蘭工業大学, 工学部・情報工学科, 教授 (70261386)
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Keywords | 眼球運動 / 瞬間提示法 / 利き目と利き手 / 中心視 / 周辺視 |
Research Abstract |
本年度の研究は実験データの蓄積、統計分析に主眼を置き、眼球運動と刺激パターンの認識率との関係を調べるための実験を行った。具体的に,瞬間提示法を用い、幾何学的図形とアルファベット、そして片仮名の3種類の標準刺激に対する認識率を求めた。 人間の眼球運動は、一点を凝視しているときの固視微動、低速度の視対象を連続的に追いかけているときの随従性運動、高速度の視対象物を追いかけてくる場合や静止している視対象間を移動するときの跳躍性運動の3つに大別される。本実験では、被験者が前方視野の中心を見ているときに左右視野にランダムに3種類の刺激パターンを与え、注視点を中心として、その周囲の情報を正確に獲得する率を求め、脳の右半球及び左半球の視覚認知機能と眼球運動及び刺激パターンとの関係を調べた。 刺激パターンの提示時間を眼球の飛躍運動が始まるより短い10から120msに限定したとき、認識率の等高線分布図を調べたところ、等高線の広がり方にある特徴を見られた。等高線の分布は横向きの楕円状に近い広がりを見せており、さらにその楕円は中心より右上にずれている。この分布の偏りを解釈するために、利き目と認識率との関連性を調べた。さらに、利き手と利き目との関連性を調べた。結果的に、刺激認識率と利き目の間に弱い相関性が見られ、利き手と利き目との間に強い相関が見られた。今後では、眼球運動の軌跡を正確に記録する手法を考案し、認識率の分布の特徴と眼球運動との相関を調べ、中心視と周辺視との切り替えのタイミング及び中心視と周辺視との融合のメカリズムを解明している予定である。
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