1995 Fiscal Year Annual Research Report
多値論理関数によるファジィ制御規則の自動抽出に関する研究
Project/Area Number |
07780342
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
高木 昇 富山県立大学, 工学部, 助手 (50236197)
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Keywords | 多値論理 / ファジィ論理 / 論理式 / データ表現 |
Research Abstract |
ファジィ推論では,ファジィ集合によって記述されたif-then形式のルールにより,専門家の言語的に表現された経験規則を近似的に表現することが試みられている.しかしながら,if-then形式のルールを系統的に構築する方法は未だに確立されておらず,専門家の経験規則(知識)は人手を介して試行錯誤的に抽出されているのが現状である.他方,真偽以外のあいまいさを含んだ命題や推論を取り扱うために様々な多値論理関数が研究されている.このような多値論理関数の特徴は関数が自然言語に比較的近い形式である論理式で表現されていることである.この反面,関数的に完全でなく,任意の多値関数を表現することは出来ない. そこで,本研究では,真偽不定なあいまいな命題を取り扱うのに適した多値論理関数である多値クリーネ関数を対象にして,与えられた入出力データから,これを表現する多値クリーネ関数が存在するための必要十分条件を明らかにした.本必要十分条件により,与えられたデータ数の計算オーダによって,それを表現する多値クリーネ関数が存在するか否かを判定することができる.さらに,本研究では,データが多値クリーネ関数で表現可能な場合,その多値クリーネ関数を表している論理式を導出するアルゴリズムも示した. 多値クリーネ関数は関数的に完全でなく,従って任意の多値関数を表現することはできない.故に,任意に与えられたデータを表現する多値クリーネ関数が常に存在するとは限らない.今後の課題は,データとの誤差が最小となるような多値クリーネ関数を導出する,しかも効率のよいアルゴリズムの開発が挙げられる.
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[Publications] N.Takagi 他: "A Characterization of Kleenean Functions" 25th IEEE International Symposium on Multiple-Valued Logic. 236-241 (1995)
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[Publications] 高木昇 他: "不完全記述多値クリーネ関数の存在条件" 第11回ファジィ システム シンポジウム講演論文集. 51-54 (1995)
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[Publications] 菊池浩明,高木昇 他: "不完全記述多値クリーネ関数の一意性" 第11回ファジィ システム シンポジウム講演論文集. 297-300 (1995)
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[Publications] 轡田崇,高木昇 他: "ファジィ論理関数による知識抽出システムの開発" 第12回ファジィ システム シンポジウム講演論文集. (1996)