1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07780409
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
佐藤 直幸 茨城大学, 工学部, 助手 (80225979)
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Keywords | 動重力 / ECRプラズマ / シース電位 / 電子サイクロトロン運動 / 電子ラーモア半径 / 高周波電力密度 / 電子密度分布 / イオンエネルギー |
Research Abstract |
プロセスプラズマ中シース電位で加速されるイオンのエネルギーを低減するために,動重力を用いたシース電位の制御を試みてきた。 ECRプラズマ端にターゲットとしてアンテナを設置する.アンテナ及びフィーダの改良を繰返しながら,アンテナ電場分布の計算と測定を行った.続いて,電子密度や空間電位などの空間分布の高周波(rf)電流依存性を観測してきた.これらの実験を通して,以下のことが明らかになった. (1)rf電流(∝電場)増加に伴う電子密度nと空間電位φの減少を確認したが(Δn【similar or equal】0.05n_0,Δφ【similar or equal】T_e/e),顕著なシース電圧変化は得られなかった. (2)電子ラーモア半径(∝磁場強度)とアンテナ形状を適切に選ぶと,(1)の変化が明瞭に観測された. (3)rf周波数を掃引した場合,電子サイクロトロン共鳴周波数近傍でrf電力の吸収が起こった.この時,電場エネルギーが電子温度(T_e)上昇をもたらすものの,動重力による電子密度分布の顕著な変化は観測されなかった. 以上の結果と動重力を含むシース電位の計算結果を比較検討すると,現在の所,動重力によるシース電圧の制御性を確証するまでに至っていない.この原因として,rf電力密度が小さいこと(最低プラズマ密度10^6cm^<-3>に対しrf最大出力電力50W)とアンテナ-プラズマ間の整合が不十分であることが挙げられる. イオンの低エネルギー化という観点から,動重力を用いてシース電位を減少する方法以外にパルスプラズマを用いた時間平均シース電位の制御法も検討してきた.平成7年度後半から,rf出力電力の関係で,これらの実験を並行してきた.
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