1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07780414
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥野 喜裕 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (10194507)
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Keywords | 高周波放電 / 非平衡プラズマ / 金属蒸気シ-ドプラズマ / 誘導結合型プラズマ / シ-ド完全電離プラズマ / 電子温度計測 |
Research Abstract |
本研究の目的は、金属原子を含む高周波放電プラズマの物理現象を明らかにすることである。本研究では、希ガス(アルゴン、ヘリウム)にシ-ド剤としてのセシウム金属蒸気を含む誘導結合型高周波プラズマの性質を実験的に明らかにするとともに、2次元数値シミュレーションを行うことによりその理論的裏付けを試みた。 実験では、円筒形石英ガラス放電管の外部に誘導コイルを設け、高周波電力(数〜数10MHz)を供給し、金属原子を含む高周波放電プラズマを生成した。ただし、作動気体の全圧を数10〜数100Torr,セシウム濃度(シ-ド率)を1〜100ppmとし、セイウムイオンの再結合輻射強度から電子温度を求めた。その結果、(1)セイウム蒸気を混入することにより低い誘導コイル電流においても放電維持が可能で、高いシ-ド率でこの傾向は顕著であること、(2)高い圧力においても容易に放電管円周方向に均一な放電が得られること、(3)電子温度は中心から壁面の半径方向に単調増加し(管壁近傍を除く)、動作条件によってはシ-ド弱電離領域、シ-ド完全電離領域、希ガス弱電離領域の3つの領域が生成され得ること、(4)シ-ド率の増加は電子温度の低下を導くことなどが明らかとなった。(3)及び(4)の結果は2次元数値シミュレーション結果からも得られており、実験におけるシ-ドプラズマの物理現象の評価が妥当なものであることを確認した。しかし、実験では作動気体の温度の計測を行っておらず、またシミュレーションでは作動気体温度は空間的に一定であると仮定していることから、より詳細に物理現象を把握するためには、荷電粒子のみならず作動気体の諸量にも着目した検討が必要と考えられ、今後研究を進める予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Okuno,T.Murakami,他4名: "Discharge Characteristics and Applications of rf and microwave excited Non-equilibrium Seeded Plasmas" '96エネルギー先端工学シンポジウム. (1996)
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[Publications] T.Suekane,T.Taya,Y.Okuno,and S.Kabashima: "Numerical Studies on the Inductively Coupled Plasma with Metal Vapor Ionization" IEEE Transactions on Plasma Science. (1996)