1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07780422
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松田 良信 長崎大学, 工学部, 助教授 (60199817)
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Keywords | 透明導電膜 / ITO / 反応性スパッタリング / インジウム原子 / レーザー誘起蛍光法 / レーザー光脱離 / 酸素負イオン / プレーナマグネトロン |
Research Abstract |
透明導電膜物性とその作成プロセス条件との関係を定量的に明らかにするために、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜の反応性スパッタリグ過程における放電プラズマ中の粒子計測をレーザー分光(レーザー誘起蛍光法およびレーザー光脱離法)を用いて実施した。さらに、膜の電気抵抗率・透過率および成膜速度を定量計測し、プロセスプラズマ諸量と比較検討した。本研究で得られた結果の概要を以下に列挙する。 1.DC反応性スパッタリング中で、ITOターゲットからスパッタされた中性In原子の空間密度分布が電子状態の違いにより異なることを、レーザー誘起蛍光計測により明らかにした。 2.また、上記DC反応性スパッタリング中で、レーザー光脱離を利用して酸素負イオン密度の計測を行なった結果、酸素ガスの混合にともない酸素負イオンの生成が顕著になること、負イオン密度変化の様子はラングミュアープローブ計測から推定した負イオン密度変化と定性的に一致することを確認した。 3.プレーナマグネトロンカソード(日電アネルバより提供)を用いて、実際の透明導電薄膜作成条件下(気体圧力数mTorr、放電電力密度0.1〜1W/cm^<-2>)で反応性スパッタリング過程を調べた。その結果、(1)スパッタIn原子密度はターゲット表面の化学結合状態(これがスパッタ収量を決定する)で決まり、空間での衝突による反応は殆ど無視できること、(2)In原子のターゲットからの放出量は酸素ガス分圧により非常に大きく影響され、それに対応して、成膜されたITO薄膜の電気抵抗率および成膜速度も大きく変化すること、(3)本実験条件下では酸素分圧が10^<-5>Torr付近で良質のITO膜が再現性良く作成できること、(4)この最適酸素分圧はターゲット入射イオン束と酸素分子束がほぼバランスする領域であることを確認した。
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Research Products
(1 results)