1995 Fiscal Year Annual Research Report
神経系におけるガングリオシドの機能解明を目的としたGD3合成酵素遺伝子の解析
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07780521
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
奈良 清光 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 生命情報研究部門, 研究員 (40260327)
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Keywords | ガングリオシド / 糖脂質 / シアル酸転移酵素 / マウス / 遺伝子 / 分子生物学 / PCR / 糖鎖 |
Research Abstract |
ガングリオシドは神経系に多く存在する糖脂質で,中でもGD3は海馬や脳室などに局在している。本研究は神経系におけるガングリオシドの機能および神経特異的な発現機構を解明することを目的として,GD3合成酵素の遺伝子を単離し,その発現制御機構を解明するとともに,神経系でのGD3およびb系列ガングリオシドの機能を解明するためのノックアウトマウス作製の準備を行った。 すでにヒトGD3合成酵素のcDNAが得られているので,それをプローブとして129SVJマウスの遺伝子ライブラリーをスクリーニングした。マウス遺伝子ライブラリー6x10^5クローンより5つの陽性クローンが得られ,さらにエクソンの得られていない部分に相当するプローブを用いて再び6x10^5クローンをスクリーニングし,結局合計11クローンを単離することが出来た。それぞれのクローンを解析したところ,マウスGD3合成酵素の遺伝子は少なくとも5つのクローンに別れていることが明らかとなった。まだ,エクソンが取れていない領域があるので現在スクリーニングを行っている。 また,正確なエクソン/イントロンの境界を同定するためにマウスのcDNAの単離を試みた。ヒトGD3合成酵素cDNAの配列を基にして設計したPCRプライマーを合成し,マウス脳cDNAを鋳型として,PCRを行った。しかし,特異的なDNAの増幅は見られなかったため,すでに得られている遺伝子クローンのエクソンの塩基配列を決定し,その配列を基にしたPCRプライマーによりマウスGD3合成酵素cDNA全長の単離を試みている。 今後,残されたエクソンを全て同定するとともに,遺伝子上流部分をルシフェラーゼなどのレポーター遺伝子につなぎ,エンハンサーやプロモーター活性の測定を行う。また,GD3合成酵素欠損マウスを作るべく,準備を進めていく予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sekine, M.: "UDP-GlcNAc: IV^3βGal-Gb_4Cerβ-1, 6-GlcNAc transferase in mouse kidney, purification, characterization, and mRNA expression" Glycoconjugate J.12. 477 (1995)
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[Publications] Watanabe, Y.: "Developmentally regulated expression of GD3 synthase (α2,8-sialyl transferase) in rat brain" Glycoconjugate J.12. 555 (1995)
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[Publications] Matsuda, Y.: "Chromosome mapping of the GD3 synthase gere in man and mouse" Genomics. 32. 137-139 (1996)
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[Publications] Nara, K.: "Acceptor specificity of a cloned GD3 synthase that catalyzes the biosynthesis of both GD3 and GD1c/GT1a/GQ1b" Eur. J. Biochem.(印刷中).
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[Publications] Kuroki, J.: "Cloning, characterization, and tissue distribution of porcine SPAI, a protein with a transglutaminase substrate domain and the WAP motif" J. Biol. Chem.270. 22428-22433 (1995)