1995 Fiscal Year Annual Research Report
ホスホリボシルピロリン酸合成酵素遺伝子ファミリーの発現調節
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07780530
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石塚 俊治 千葉大学, 医学部, 助手 (50232294)
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Keywords | ホスホリボシルピロリン酸 / ヌクレオチド合成 / 遺伝子発現調節 |
Research Abstract |
ヌクレオチド合成の律速酵素であるPRPP合成酵素は触媒サブユニットとは別の活性調節蛋白質を含む。我々はこの蛋白質のcDNAクローニングに成功し、PAP39と命名した。PAP39は触媒サブユニットに直接結合し、酵素活性を抑制する。このことからPAP39の発現量の変化により、本酵素のサブユニット構造とその調節的性質が変わる可能性がでてきた。そこでPAP39遺伝子の発現調節機構をしらべることが急務となってきた。その基礎として申請者は、PAP39遺伝子プロモーター領域をラット肝臓ゲノムライブラリーよりクローニングしその構造を決定した。本年度はプロモーター上に予想された制御領域が、実際にPAP39の遺伝子発現を調節しているか否かを機能解析により決定した。この結果得られた成果は以下の通りである。 1.転写開始部位を含むプロモーター領域をクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子上流に連結した融合遺伝子を作製し、培養細胞に導入したところ、CAT活性が認められた。このことから単離した5領域がプロモーター活性を有することが判明した。 2.次にプロモーターの一部を決失させたものでCATアッセイを行ったところ、本遺伝子の発現には転写開始部位上流の31塩基対の領域が必要であることが判明した。その塩基配列には既知の転写因子結合配列は見いだされなかった。従って、未知の因子がそこに結合する可能性が示された。 以上当初の目的である、PAP39の機能解析をほぼ完了することができた。またこの結果を学術誌Biochimica et Biophysica Actaに投稿し受理された。今後は同定した31塩基対のDNA断片を用い、gel shift assay,DNase I protection assay等の方法で、そこに結合する転写因子の検出、同定を試みたい。
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Research Products
(1 results)